Mogwai 「Every Country's Sun」

Every Country's Sun

Every Country's Sun

約3年半ぶりとなる9作目。


一昨年にオリジナルメンバーの John Cummings が脱退し、現在は4人編成のモグワイ。しかしながらこの新作において彼らの結束はより強固に、バンドの描く世界観はより鮮明になっています。幽玄な雰囲気を醸し出すシンセがアンサンブルの轟音と密接に絡み合う「Coolverine」に始まり、まるでスタジアム規模のオルタナロックバンドの様相を呈した「Party in the Dark」、人力 IDM アンビエントとでも言うような不可思議な音響空間を展開する「aka 47」、そしてほとんど HR/HM の領域まで肉薄した爆音セッション「Battered at a Scramble」「Old Poisons」と、彼らがこれまでのキャリアで見せてきた変遷を総括したようなヴァラエティの豊かさが印象的。しかもそれらは決して取っ散らかることなく、それぞれ明確な役割を担った楽曲群が適材適所に収められ、アルバム全体を通じて非常に纏まりよくなだらかな、かつ情感豊かでダイナミックな流れを形成しています。「Rock Action」以来16年ぶりに Dave Fridmann がプロデュースを手掛けていることも、この中心に確かな芯の通った強靭さの一因であることは確かでしょう。ここ数作では一番の充実度。

Rating: 8.3/10



Mogwai // Party In The Dark (Official Video)

Tempalay 「from JAPAN 2」

from JAPAN 2

from JAPAN 2

東京を中心に活動する3人組の、約1年半ぶり2作目。


前作を聴いた時にも思ったけど、このバンドは何処かが歪んでる。70年代サイケフォーク、80年代シティポップ、またはゼロ年代 US インディなど多様な影響を感じさせるアンサンブル。輪郭のぼやけたギターサウンドに、ファンクビートの解体/再構築とでも言うような変則的グルーヴ、そして絶妙にエレクトロニカ的な感触も通底してるという、最近の若手インディバンドの間でほとんど共通項となっている要素がこのバンドにも備わっています。ただ彼らはノスタルジックな情景に思いを馳せるでも、アーバンで洒脱なムードに酔うでもない。皮肉めいた毒をチクリと刺す「新世代」、ほとんど意味のない言葉遊びのような「my name is GREENMAN」など、何処かニヒリスティックな目線が音の印象をただ心地良いだけでなく、理知的かつ掴みどころのない奇妙なものへと転じさせています。童話風の「かいじゅうたちの島」やルーツへの愛情が滲み出た「San Francisco」「革命」なんかにしても、脱力したサウンドの裏側にはシュールで居心地の悪い感覚が常につきまとう。これは例えば Deerhunter などに通じるストレンジな魅力。食えない三人組であることだ。

Rating: 8.2/10



Tempalay「新世代」(Official Music Video)