asterisk 「*2」

*2

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ZABADAK上野洋子によるソロユニットの2作目。初めて聴きました。


本人いわく 「ポップスとインストをやりたくて始めた」 らしいですけど、決してそれだけに留まらない奇妙なムードが全体に溢れてます。ヴォーカルはみんなのうたに出てきそうな澄んだ声質ですが、 「右に偶然 左に運命」 はホーン中心の楽団的な演奏に先の読めないメロディ、不可解なコーラスでプログレッシブな側面が強く出ていて、ポップスかどうかはさておき、強烈な個性を放ってます。また ZABADAK に通じる所があるエキゾチック風味のメロディが印象的な 「星の祝祭」 「赤い月」 、緩やかに夢の中を漂うような 「においやか」 など、どの曲にもファンタジックな雰囲気があるんですが、音のニュアンスが全体的にチープなせいか深遠で壮大というわけではなく、むしろ RPG ゲーム的な取っつきやすいキッチュさがあるように思います。言い方悪いですけど B 級な匂いがするというか。でもそれが独特の面白い味を生んでるのは確かです。不思議ワールド全開の珍味ポップス。


Rating: 7.6/10
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