Marissa Nadler 「Song III: Bird on the water」

Song 3: Bird on the Water

Song 3: Bird on the Water

ワシントン出身のシンガーソングライターによる3作目。初めて聴きました。


柔らかく包容力のある女性ヴォーカルと、繊細に爪弾かれる1本のアコギ、そこに曲によってはエレキだったり音響処理だったりといった必要最小限の装飾、たったそれだけのシンプル極まりない構成。なんですけど、むしろだからか、ひどくストレートに心に響いてきます。甘さ控えめのメロディと歌声はとても優しいのに歌ってる内容は何だか救いがなかったりと、滲み出る切なさの裏にひっそりゴシックな影が落とされていて、聴いてて真綿でゆっくり首を絞められるような、安らぎと薄ら寒さが同居した感触があります。でも暗いばかりではなく光を感じさせる音色もサッと織り交ぜてきたり、曲ごとに取り入れたネタがことごとくアレンジの中にマッチしてたりと、実は結構カラフルな仕上がり。日本なら森田童子とかに近いでしょうか。静かな中にも感情のひだが溢れてて、どうしようもなく涙を誘ってくる。業の深いフォークソング集です。


Rating: 8.4/10
Links: 【公式】 【Myspace