CUBE JUICE 「VAGUE ANSWERS」

VAGUE ANSWERS

VAGUE ANSWERS

宅録ソロアーティストによる3年ぶりの3作目。オリジナル作を聴くのは初めてです。


クールな中に何処となくコミカルな側面を見せるシンセと粘りのあるダンスビート、さらにヴォコーダー声フル活用と、レトロフューチャー感溢れる80年代テクノ/ニューウェーブサウンドを現代のフィルターにかけたエレクトロポップ、といった塩梅。なおかつ全体を覆うムードはミステリアスかつ低熱で、その中にうっすらポップなメロディがジワリと滲み出てくるという。キラキラした緩やかな広がりと宅録らしく内向きに篭るムード、両方が混ざりあった不思議な感覚。櫻井敦司への提供曲 「Fantasy」 で聴けた、あの浅い眠りの中を漂うような陶酔感が全編に広がってる感じですね。 「SHE'S A BEAUTY」 「ANNIVERSARY」 なんかはそういった要素が良く出てるし、若干アッパーにシフトする 「BIWAK」 「UPDOWN」 も良い。だけど掴み所がないパートも多くて少々まどろっこしいのと、15曲70分はちょっと長すぎる。もう少しタイトに絞れたと思うのでそこが残念かなーと。それでも不意に目の覚めるような素敵なフレーズも多いし、肩の力を抜いてボーっと聴くのが良いかなと思いました。


Rating: 6.8/10
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