SUZANNE VEGA 「BEAUTY & Crime」

Beauty & Crime

Beauty & Crime

アメリカ出身のシンガーソングライターによる、6年ぶりの7作目。


俺は 「Solitude Standing」 しか聴いたことなかったんですけど、方向性自体はその頃からブレずに、より幅を広げてきてるのかなという印象。跳ねるようなドラムが軽快にヒットする 「ZEPHYR & I」 で始まり、たおやかな速度で濃密な哀愁が心地良く染み込む 「LUDLOW STREET」 、ボサノヴァ調の 「PORNOGRAPHER'S DREAM」 、荘厳なストリングスを大きく取り入れた 「BOUND」 、一転してアップテンポなブレイクビーツが格好良いフォークトロニカ 「UNBOUND」 といった風に、内省的なフォークポップを軸として曲ごとに様々なネタを取り入れつつ、11曲34分でピシッと締めるその手腕に唸らされます。正直最初はピンとこなかったんですが、よく聴けば穏やかな曲調の中にもアレンジで上手くフックが仕掛けられてるし、何より優しく爪弾かれるアコギや五十路手前とは思えない (失礼) 瑞々しさを持った歌声が単純に心地良い。前回の 4hero と楽しみ方としては同じなんですが、音的にはこっちの方が好みかな。肩の力の抜けた聴きやすさの中に遊び心が効いた、良い意味で余裕のある作品です。歌詞もちゃんと読んどきたい。


Rating: 7.8/10
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