SKELETONS AND THE KINGS OF ALL CITIES 「LUCAS」

Lucas

Lucas

ニューヨーク出身、 Matt Mehlan 率いる総勢13名のバンドによる新作。初めて聴きました。


うむー、こりゃまた何とも形容し難い。柔らかく力の抜けた男性ヴォーカルを軸に、様々な管弦楽器や打楽器、神経質なエレクトロニクス、大所帯コーラス、ハンドクラップ等々、数え切れない音の群れが禁じ手なしでごった煮にされ、どう展開するのかまるで読めないまま進行していく。フォークトロニカ的だったりジャズ的だったりインディーロック的だったりするジャンルレスな作風、さらに全体を覆う空気はローファイかつ不可思議で、手の中をヌルヌルとすり抜けるような掴み所のなさ。アヴァンギャルドな実験精神全開のため最初は聴き所がイマイチ分からなかったんですが、何回か聴くとその不透明な音の中にもポップな側面が潜んでることに気付き、その辺が感じ取れるとだんだん面白くなってくる。後半 「the shit from the dogs」 以降の方が比較的ポップさが前に出てるので、聴き進めていくうちにズルズル深みに飲まれていきそうな感覚になるし。ひたすらに捩れまくった、ストレンジな魅力を持った歌モノ。まさにスルメですね。


Rating: 7.4/10
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