凛として時雨 「Inspiration is DEAD」

Inspiration is DEAD

Inspiration is DEAD

フルとしては1年9ヶ月ぶりの2作目。


再生した瞬間から殺気とも思えるくらい緊張感を増したサウンドが突き刺さってきます。叙情的なアルペジオとジャキジャキの鋭角音を巧みに使い分けるギター、その裏でグリグリ太く這い回るベース、嵐のごとく縦横無尽に暴れ回るドラム、そして頭にキンキン響く男女ハイトーンヴォーカル、どのパートも目まぐるしい展開と手数の多さ、苛烈なまでのテンションで明らかに無茶しすぎ、だからこそ音どうしが軋んで散らす火花の熱さも半端無く、強く血肉に響いてきます。正直最初はメロディが後退してるためピンとこなかったんですが、2周目以降はすぐに身体が慣れてノリノリになってるという不思議。特にブルータリティ全開で爆走する 「nakano kill you」 、そのままの勢いで雪崩れ込む 「COOL J」 、強烈なグルーヴが大蛇のように波打つ (特に間奏が凄まじい) 「DISCO FLIGHT」 、荒々しさとメロウさのバランスが絶妙な 「knife vacation」 、この前半4曲は最強。それに比べると少し落ち着きを見せる後半はちょっと弱いと思わなくもないですが、決して音の緊張感は緩んでないし、こっちはこっちで別の良さがあるかなと。とにかく刹那的な衝動が全編で炸裂してて、首根っこを掴んで引き込ませるくらいのパワーがあると思います。秋のツアーも行こうかな。


Rating: 9.2/10
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