Joseph Nothing 「Shambhala Number one」

Shambhala Number One

Shambhala Number One

ソロプロジェクトによる、約4年ぶりの4作目。


チベット密教に伝わる異形の楽園 "シャンバラ" をテーマにした三部作の第一弾」 とのことですが、中身はサイケかつアンビエントな浮遊感に満ちたエレクトロニカ。その伸びやかな音は溶けるような暖かさ、優しさを感じさせつつ、裏には何処に連れて行かれるか分からない宗教的な胡散臭さも持ち合わせてるという。時に顔を出すオリエンタルな音色もその胡散臭さを演出してたり、一筋縄ではいかないミステリアスな毒気が全体に流れてて、その辺が面白いなと思いました。でも明確な起承転結が無いアブストラクトな曲調ばかりで、ちょうどジャケのアニメーションの BGM といったポジションで終わってしまってる気がします。曲自体からあまり強い主張が感じられなくて、これ単体でずっと聴くにはちょっと退屈だなーと。どの曲もインタールード的なのに引き伸ばして長尺にしてる曲と短尺で終わらせてる曲が混ざってる意味もよく分からない。最後の曲は Aphex Twin を連想させるフリーキーな継ぎ接ぎエディットが面白いし、遊び心があって良いとは思いながらも、全体的にはあまり深くのめり込めませんでした。


Rating: 6.0/10
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