筋肉少女帯 「新人」

新人

新人

昨年活動を再開した4人組の、本格復帰となる10年越しの新作。


力強くも切ないハードロック 「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」 は 「機械」 、ほのぼのポップス 「その後 or 続き」 は 「生きてあげようかな」 、脱力サーフ調の 「抜け忍」 は 「俺の罪」 、等々至る所に過去曲の影が見え隠れ、あと演奏というか音が荒くて雑に感じる、 「イワンのばか」 等のリテイク曲はアレンジほとんどそのままでライブ用に洗練された代わりにオリジナルの業の深さが無くなってる、とか色々といちゃもんつけたくなるんですが、いやでも良いですこれ。さすがにアングラな毒素は昔よりも薄れたけど、弾きまくりのギターを筆頭にフレッシュな勢いが全体からひしひしと感じられ、筋少健在をアピールし得るパワーを十分に持ってると思います。豪快な王道 HR/HM を基盤としつつメンバー各々の嗜好を混ぜ込み、その上にオーケンの文学的かつユーモラスな歌詞が乗って (「トリフィド〜」 や 「ヘドバン発電所」 では特に昔のキレが戻ってきてると思う) 、結果ロックレジェンドには成りきれないB級感が全体を覆う (苦笑) 、そんな筋少らしさはまるで損なわれてない。復活声明曲 「仲直りのテーマ」 「新人バンドのテーマ」 にもコミカルながらグッとくるし、復帰第一弾としては手応えバッチリ。次は懐古モード抜きでさらに気合いの入ったのを期待したいです。


Rating: 8.0/10
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