WRENCH 「nitro」

NITRO

NITRO

92年結成の4人組による、約3年ぶりの8作目。初めて聴きました。


ジャンル的にはミクスチャーという風に聞いたんですけども、単なるヒップホップ+ヘヴィサウンドだけでは終わってません。バンドの骨格を成してるのが洗練されたモダンヘヴィネスではなく、それ以前の土臭いハードロックという所がミソかと。タフでファットなグルーヴをゴロゴロと転がせて肉感的な熱さを放出しつつ、ハイテンションなラップやエレクトロニクスを効果的に取り入れてスペーシーな広がりも見せるといった具合に、このバンドならではの個性をしっかり打ち出してます。そのエレクトロ要素も決して付け焼き刃ではなく、バンドサウンドの一部として違和感なく血肉に溶け込んでる。前半はモッシュ誘発な縦ノリ重視、後半は腰にくる横ノリ重視って感じですかね。時には高速なままミニマルな展開に突入してトランシーな恍惚を生み出したり、ちゃぶ台ひっくり返してグチャグチャになったり。特に 「dynamite music」 なんかは極端な空間処理も手伝って全ての音がカオティックに混ざり合い、ライブハウスの天井を突き破りそうな程のパワーが渦巻いてます。あくまで快楽主義に則り、ロックやらダンスやら音響やらをごった煮にして天高く放り投げたハイパーサウンド


Rating: 7.8/10
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