七尾旅人 「911FANTASIA」

911FANTASIA

911FANTASIA

孤高のシンガーソングライターによる、4年ぶりの4作目。


タイトルにもある通りテーマは 9.11 。といってもポリティカルでピースフルなメッセージを世界に発信というよりは、 9.11 をネタにした一大妄想スペクタクルが狂い咲きです。ジャズやらエレクトロニカやらフォークやらがサウンドトラック的に配列され、その上で孫と爺の対話を中心にストーリーが進行。アポロ月面着陸に始まり、 9.11 勃発、音楽が持つ力、そしてラストは…的な。通常の作品の形式から激しく逸脱して、語りによる世界観の展開が最優先。音楽パートはあくまで飾りつけといったポジションで、もうミュージカルというかラジオドラマの領域ですね。まともな歌モノはほとんど無い上に、語りだけで10分とかザラという。個人的には…ちょっと求めるものが違いすぎたなーと。妄想炸裂の状態でもまだポップミュージックの原型を保ってる、言ったら彼のデビュー作のようなものを期待してたので、それとはフォーマットがまるで違う。3枚組3時間というボリュームもさすがに膨張しすぎだと思うし。強烈な個性を持ってるのは間違いないですけど、ちょっとぶっ飛びすぎててついて行くのがしんどいというか、そういう感じでありました。


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