SERJ TANKIAN 「Elect the Dead」

エレクト・ザ・デッド

エレクト・ザ・デッド

現在活動休止中の SYSTEM OF A DOWN のヴォーカリストによる、初のソロ作。


聴いてみてビックリ。まんま SOAD じゃねえですか (笑) 。ヘヴィロックのアンサンブルに彼独自のポルカ風民族メロディが絡み、時にはポリティカルで辛辣なメッセージを突きつけ、時にはコミカルなユーモアでずっこけさせるという、まさしく直球で SOAD を思い出させる内容。 「Mezmerize/Hypnotize」 のアウトテイク集と言われたら信じてしまいそうな勢い。民族メロとヘヴィネスの融合が特に冴えた 「The Unthinking Majority」 、シリアスな悲壮感が沁みる 「Saving Us」 、ダークで奇怪なムードが蔓延した 「Praise The Lord And Pass The Ammunition」 など相変わらずアイディア豊富で格好良い曲は多いですが (「Beethoven's C***」 はタイトル最高なんだけど曲は割とマトモで残念) 、全体的に見ればさすがにバンド本体ほどのキレはないかなあと。強烈な個性を持ってるのは確かだし良いのは良いんだけど、これバンドでやればもっと良くなるんでないのという思いは隠せない、そういう意味でちょうど Radiohead においての 「The Eraser」 と同じポジションにある気がする。最初はヘヴィネス抜きのクラシック的な内容になる予定だったそうで、ソロ作としてはむしろそっちの方が良かったんでは、とか思いました。


Rating: 6.8/10
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