supersilent 「8」

Eight

Eight

ノルウェー出身の4人組による6作目。初めて聴きました。


スッキリしてて可愛らしいジャケのイメージとは真逆を行く実験ノイズ/エレクトロニカ。鳴ってる音は本当に必要最小限、メロディらしいメロディも皆無。周囲の物音と聴き間違うくらい無機質な電子音が空気のように漂い、ひっそりと濃度の濃いダークな瘴気を吐き出していて、徐々に神経を侵していきます。静かに波打つシンバルとチープなシンセのみの組み合わせがあまりにもシュールな 「8.2」 、微かにジャズ要素が感じられる (本当に微かだけど) 「8.4」 、それまでの静けさから一転して発狂ノイズを激しく嘔吐する 「8.7」 と曲ごとに試みの違いはあるものの、どれもこれも荒廃しきったアブストラクトな曲ばっかりで行けども行けども深い闇。まるで聴き手の忍耐力を試してるかのよう。彼らがどういう意図でこんな真性根暗音楽をやってるのかは分かりませんが、こういうのは妄想したもの勝ちというか、人知れぬ廃屋で得体の知れないエイリアンが粘液塗れで産声を上げてる図とか想像しながら聴くと面白いですねー。リストカット少女が無表情で冷たいバスルームを少しずつ赤に染めていく図でもいいけど。毎日はちょっとアレですが、たまに聴くとえらく痺れます。


Rating: 7.8/10
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