syrup16g 「syrup16g」

Syrup16g

Syrup16g

3月の武道館ライブで解散が決定してる3人組のラスト作。


実は今までの作品を全く聴いてなくてようやく手を出したんですが、まずその歌詞が印象的でした。 「いざとなりゃ死ぬつもりだった」 「俺は狂っちまったけど」 等々負のベクトルまっしぐらなフレーズばかり、でもそれがポップなメロディに乗って朗々と歌われてるためか、完膚なきまでの絶望に打ちひしがれてると言うより周囲に対する不満やウジウジした自己嫌悪、あるいは社会の厳しさから現実逃避してるだけの甘えみたいなものに近い気がして、それがむしろ嫌に生々しいリアリティを感じさせる。 「さくら」 「君をなくしたのは」 「バナナの皮」 辺りは牧歌的な雰囲気が逆にダークさを強調してるようで、生々しさが特に鋭さを増して刺さってきます。その一方で何気ない切なさがじんわり沁みる 「来週のヒーロー」 なんかもまた良い味ですね。これだけ歌詞に強く惹きつけられたのは久々な気がする。ただ曲自体はかなりベタな歌謡ロックで後半からダレてくるのと、ヴォーカルの粘着的な声質が個人的に少し苦手なんですが、それでも力強く聴かせるだけの魅力はあると思います。昔のアルバムもちゃんと聴いてみようかしら。


Rating: 7.0/10
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