Tenniscoats 「Tan-Tan Therapy」

Tan-Tan Therapy

Tan-Tan Therapy

ワールドワイドに活動を展開する2人組の最新作。初めて聴きました。


演ってるのは日本人だけど中身はある意味非常に北欧的。ポストロックでありフォークトロニカでありといったジャンルの枠をスルリと越えて、優しく穏やかに空気の中へ溶け込む高品質ポップスです。中心の2人以外は流動的にゲストが参加してるようで、曲によって様々な管弦楽器やエレクトロニクス等を使い分け、かといって詰め込み過ぎてゴタゴタしてる感じではなく、どの曲も風通しの良い仕上がりですっきり聴けます。曲調が自然に呼んだアレンジというか。ジャズワルツ調の 「嗚咽と歓喜の名乗り歌」 、冬らしい険しさや重々しさを感じさせる 「ローリン・トレイン」 は特に素敵ですね。また 「バイババビンバ」 「ウンバレパ!」 と子供のような擬音で歌ってるあたりには Deerhoof に通じる無邪気さも感じられたり。しかし雰囲気的な心地良さを重視するあまり、こじんまりしすぎてこれと言ったフックに欠ける気もします。良くも悪くもゆるゆると流してしまって聴いた後頭に残らない。こういう環境音楽的なものって基本的に自分の肌に合わないのかもなあ…と思いました。


Rating: 6.4/10
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