Goldfrapp 「Seventh Tree」

Seventh Tree

Seventh Tree

ロンドン出身の男女デュオによる4作目。初めて聴きました。


優しく爪弾かれるアコギと拡散するシンセやストリングスの音色が一つに溶け合い、その中からウィスパー寄りの繊細かつ伸びやかな女性ヴォーカルが浮かび上がる、鈍く暖かな陽の光に満ちた歌モノフォークトロニカです。ノスタルジックな感傷や幻想的な微睡み、時には力強い包容力も感じさせるサウンド、そこに乗るメロディには抽象的になり過ぎない明確なポップネスが宿っていて、実にスムーズに意識を引き込んでくれます。主にはアンビエント的な浮遊感がどの曲でも強いんですが、何処かしらキュートなシャッフル調で渋谷系ポップスにも通じそうな 「Happiness」 、スケールの大きな昂揚感が一層強く滲み出た 「A&R」 、生ドラムの8ビートが入って一番真っ当にポップスしてる 「Caravan Girl」 と動的な盛り上がりも兼備。ジャンル云々と言った堅苦しさに寄りかかり過ぎない、単純に高品質ポップスとしてじっくりすっきり浸れる素敵な作品であります。どうも過去作はまた違った作風のようで、そちらも少し気になりますね。


Rating: 8.0/10
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