air france 「no way down」


フランスではなくスウェーデン出身の2人組による、2作目の EP 。初めて聴きました。


アンビエント系フォークトロニカ。朝靄の中に差し込む鈍い光のような浮遊/陶酔感、そこから浮かび上がる音の輪郭は淡く滲んでいて、シンセやフルートの音色が幻想的な魅力を増すと同時に、ホーンやストリングスの響きも明るく力強いけど暑苦しくはないバランスでフィット。またたおやかで優しい女性の歌声や子供の囁き、鳥の囀りもサブリミナルに交錯。そこから受けるイメージは夢見心地でピースフルな祝祭というものに当然なるのですが、メロディ自体は良い意味で俗っぽいというか、決して派手ではないけど80年代エレポップに通じる所があって親しみやすい。またフュージョン風のペケペケしたギターやピアノのバッキング、随所に垣間見えるラテン/アフリカ風味のパーカッションも80年代っぽさを助長してると思うし。先日の M83 「Saturday=Youth」 と同じノスタルジーをこのユニットも持ってるんじゃないかと。コンパクトに纏まってるぶん表現してる世界観にブレがなく、敷居の低さとゆったり浸れる深さを両立した好盤であります。


Rating: 8.4/10
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