MESHUGGAH 「obZen」

Obzen

Obzen

スウェーデン出身の5人組による6作目。初めて聴きました。


微妙に乗り遅れてる感はさておき、非常に格好良いです。ギチギチに密度の高く切れ味満点なヘヴィネスを畳みかけ、リズムは変拍子ポリリズムを激しく取り入れて変幻自在にシフトチェンジし、なおかつ大蛇のごとくしなやかに波打つグルーヴまでも兼備。一つ一つの音はひどく硬質なのに、それらが合わさるとまるで鞭をビチビチしならせるかのようなうねりを生み出してるという、独特の粘着質なアグレッションが聴いてるうちにひどく癖になってくる。特にベースが一際毒々しいうねり方でグワングワン鳴ってて素敵。それと変拍子というのはどういう構成なのか徐々に理解/咀嚼して自分なりのノリ方を見出すという、ある種数学の難題にも似た面白さがあると思う。その難しさが東大京大レベルだとハナから取り掛かる気にもならんのですが、この作品はあくまでスラッシーな攻撃性を保った上で着地点を絶妙に (執拗に) ずらすという妙技に長けていて、ヘヴィネスやグルーヴの格好良さも相まって置いてけぼりを食らうことなくグイグイ聴き進められる。フィジカルな即効性と体内から徐々に浸食するサイケな感覚が同居した、独特の心地良さのある作品。


Rating: 8.6/10
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