bice 「かなえられない恋のために」

かなえられない恋のために

かなえられない恋のために

女性シンガーソングライターの、実に6年ぶりとなるオリジナル3作目。


今回小西康陽の readymade レーベルに移籍し、ゲストミュージシャンとして元 CymbalsROUND TABLENONA REEVES の方々が参加。この時点でどういう音なのか想像できる人は、多分それが正解です。それくらい渋谷系のど真ん中を貫いたオシャレでフレンチでラウンジなガールズポップの応酬。以前のアルバムでは渋谷系の雰囲気を纏いつつ純粋にポップスとして質の高い曲を作っていて、今回もまあ普通に聴くぶんには決して悪くないんですけど、聴き終わってどうにも煮え切らない思いが残るんですね。それは6年ぶりにも関わらず、門外漢の俺が抱く 「渋谷系」 の典型的イメージから一歩も外に出ないような曲ばかりってのがいかがなもんか、ということなんですけども。あまり新作としての意義を感じないし、この手にありがちな 「悪い意味でのファッション音楽」 という先入観を覆すほどの目新しさやパワーは感じられませんでした。そもそもなんでこの人今更になって小西康陽と組んで、こんな手垢のつきまくったイメージなぞり返してるんだろう…。特定の層に対して変に媚びてるスノッブ的な印象しか受けないのに。クラウザーさんに犯されても知らんぞ。


Rating: 5.0/10
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