sgt. 「Stylus Fantasticus」

stylus Fantasticus

stylus Fantasticus

99年結成、現在は3人組の初フルアルバム。


ちょうどジャケットにある教会のステンドグラスのような、鮮やかで幻想的な色彩とドッシリした荘厳な重みを併せ持ったポストロックサウンド。ヴァイオリンやピアノの音色がジャズ或いはクラシックに通じる美麗さを持って響き (少し勝井祐二に似通ってる部分もあるのはご愛敬) 、その基盤を躍動感溢れる太い鳴りのリズム隊が支え、楽曲にソリッドな輪郭を与える。また 「囚人達のジレンマゲーム」 では激しく渦を巻くような獰猛なギタープレイが展開されたり、 「銀河を壊して発電所を創れ」 では Sigur Ros ばりの祝祭的なホワイトノイズが高らかに広がったりといった様々なアプローチもあり。けれどどの楽曲もストイックな緊張感に貫かれてるとともに、ひどくカタルシスに溢れたドラマチックな展開で強い吸引力を生み出しており、10分以上の長丁場もまるで集中力切らせずに聴き通せました。何より自らの表現したい景色/感情に向かって一直線にひた走る迷いの無さ、それを完全に描き切るほどの力強さがあり、変にテクニックや理論に溺れず肉感的な心地良さを最優先してるのが素晴らしい。 ROVOtoe 等の先人とも十分にタメ張れるくらいの、日本産ポストロックの傑作だと思います。


Rating: 9.0/10
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