THOM YORKE 「THE ERASER RMXS」

ジ・イレイザー・リミキシーズ

アナログ盤に収録されていたリミックス曲をコンパイルした編集盤。

オリジナルがもう2年前なのに何故今更というのは置いといて。本編の 「THE ERASER」 については、確かにトムヨークらしい味は出ているけど Radiohead 本体の縮小再生産で終わってるとも言える、複雑な思いの残る印象だったのですが、このアルバムではその味を残しながら各々の個性も強く感じさせる良曲が多いと思います。人選は全て彼自身によるものということで、ハードテクノや最近流行りのダブステップ、深遠なエレクトロニカなど雰囲気に浸らせる傾向が強く、アップテンポであっても簡単には踊らせてくれない、それどころか重苦しく鬱病じみたダークネスが綿々と続くような曲ばかり。やはりそういうのが彼の嗜好なのだなーと。まんま Burial すぎて笑える Burial 、ダブで暴力を振るってるような The Bug 、病みの深刻さで言えば今作中一番な Modeselektor 、タム回しやベルの音の可愛らしさで唯一光を感じさせる Four Tet 、ミニマルかつクールに深い幻惑を醸す The Field など。個人的に一番好きだったタイトル曲のリミックスが無いのが不満なんですが、肩の力を抜いて聴きたい時にはちょうど良いかと思います。

Rating: 7.0/10
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