DIR EN GREY 「UROBOROS」

UROBOROS

UROBOROS

ベスト盤を挟んで、1年9ヶ月ぶりとなる7作目。


正直言ってしまうと前作 「THE MARROW OF A BONE」 では海外のメタル勢を意識しすぎて、本来の持ち味が出せず中途半端に陥ってたと思う。でも今回はその経験を生かし、かなり持ち直してきてます。演奏陣はさらにゴリゴリした硬さを増しつつ随所に怪しく呪術的なフレーズを塗した結果、スポーティな瞬発力重視のメタルコアから悪意/疑念/憎悪といった負の感情の方が前に出たデス/ブラックの領域に接近。身体を突き上げるのではなく重く圧し掛かる感覚のヘヴィネスになってるのですが、このバンドの場合はその方が表現する世界観に合ってて良いと思う。禍々しい幕開け 「SA BIR」 から9分超のプログレデス大曲 「VINUSHKA」 をド頭に据えるという荒業で始まり、グルグルと渦を巻くような変拍子の 「慟哭と去りぬ」 、挑発的なファンク調で意表を突く 「STUCK MAN」 、アグレッション最高値の 「冷血なりせば」 、以前の作風に一番近いドラマチックな疾走曲 「凱歌、沈黙が眠る頃」 など佳曲は沢山。あくまで前進の姿勢を崩さない上でしっかり説得力あるものを出してきたという所で、やはり頼もしい存在であります。


Rating: 8.0/10
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