無限マイナス 「パーフェクトワールド」

パーフェクトワールド

パーフェクトワールド

ベーシストが加入し、新体制となった5人組の2作目。


前半ではまるでサイケな悪夢を見てるかのような畸形童話世界が展開されてます。 「月が双つに割れる/子供達が舞い降りる」 「三日月に糸を垂らしたピエロが 真っ赤な口紅だ」 、また 「メトロポリタン美術館」 を大胆に再構築したカヴァーもあったりと、まさにバンド名通りのマイナスオーラに満ちた世界観。だけど COCK ROACH 時代のヘヴィネスはすっぱり脱ぎ捨て、フォルクローレ調のアコギとパーカッションに乗せて明朗に歌う、その飄々とした軽さが逆に薄ら寒い無常感を醸し出してるという。それがこのバンドならではの味といった感じで面白いのですが、後半 「パーフェクトワールド」 以降は急に憑き物が落ちたかのように優しく牧歌的な曲調にシフト。地球レベルの壮大なスケールで平和や平等を歌ってるわけですが、どうもそれまでの影の部分が無かったことにされてるようで違和感の方が強いです。落差が激しすぎて散漫な印象を受けると言うか。その辺の練り込みがまだちょっと足りないのが残念なんですが、ユニークな方向性ではあると思うのでさらにこの道を邁進していってもらいたいです。


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