JUANA MOLINA 「UN DIA」
- アーティスト: Juana Molina
- 出版社/メーカー: Domino
- 発売日: 2008/10/07
- メディア: CD
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元々はコメディ女優として活動してたらしいですが、今作を聴く限りそんなイメージは全く見えてこないです。音的にはアコースティック楽器をエレクトロニカ的手法で空間的に配置した、所謂フォークトロニカの類。本人のヴォーカルは Bjork ほどアクが強いわけではないけれど、ある時は民謡的な土臭さを感じさせながら朗々と歌い、またある時は子供のようなあどけない声で澄んだメロディを聴かせ、サウンドの一部として違和感なく同化してる。トライバルな躍動感の上で様々な歌声が重層的に響く 「Un Dia」 、夜の闇の中を手探りで彷徨うような不穏さの 「Lo Dejamos」 、一転して歯切れ良いアコギと軽やかな4つ打ちが印象的な 「Los Hongos de Marosa」 等々曲によって様々な表情を見せるのですけど、深遠な奥行きと何処か不安定なか細さは一貫しており、何だか緩やかに躁と鬱を行ったり来たりする脳内世界にズルズル引きずり込まれていきそうな感覚になる。少し快方に向かってるのかと思ったら些細なことでカクンと落ちたり、いつどんなテンションになるか分からない辺りがある種スリリングでもあるというか。独創的で面白い音世界だと思います。