Parenthetical Girls 「ENTANGLEMENTS」

Entanglements

Entanglements

ワシントン出身の4人組による3作目。初めて聴きました。


ジャケットの素敵な毒々しさに惹かれて聴いたのですけども、中身はフルオーケストラ演奏を大胆に導入した実験ドリームポップでした。優雅に流れたり陽気に飛び跳ねたりとひどく表情豊かな、ちょうどディズニー世界のミュージカルのごとく華々しく幻想的なサウンドに一気に飲み込まれます。豪華絢爛なんだけどノスタルジックな味わい深さや音響的な拘りも感じさせる、シアトリカルかつディープな音世界。さらにヴォーカルは裏返りまくりのヨレヨレ声で朗々と歌い、絶賛トリップ中でまともに力入らないんだけどテンションだけは高いみたいな趣で、ただ楽しいだけではなく裏側に不穏なダークネスもほんのり感じさせたり。夢遊病的ハピネスが咲き乱れる前半から翳り/泣きのムードが差し込んでくる後半への流れ、また1〜3分程度の尺をテンポ良く流麗に聴かせる作り込み方も上手い。特に終盤は徐々にスケール感の増してくるドラマチックな展開でグッと引き込まれました。内に内に引きこもる妄想を溜めすぎて、抱えきれず溢れ返ってしまったような極彩色ファンタジア。ある意味ハマりすぎると危ない気もする。


Rating: 8.2/10
Links: 【公式】 【MySpace】 【Wikipedia