ASOBI SEKSU 「HUSH」

Hush

Hush

ニューヨーク出身の男女デュオによる、約2年9ヶ月ぶりの3作目。


ジャンル的にはシューゲイザーとして括られることの多いバンドですが、一口にシューゲと言っても色々ありますわな。最近だと Deerhunter のような引きこもりまっしぐらの毒々しいサイケデリアから、 M83 みたいにノスタルジックな甘酸っぱさで彩られたシンセポップなど。それでこの作品はというと、以前よりもギターのノイジーなエグ味が後退し、繊細なヴォーカルやシンセも含めて透明感/浮遊感をより重視した作風になってます。アクが弱まってるという風にも捉えられるけど、優雅さとミステリアスさが混じり合うドリーミーな感覚はさらに純度を増しており、まるで分厚い雲の中を気ままに泳いでいくかのような心地良さで、すんなりと耳に馴染んできます。何処か壮大な気高さすら感じさせる 「SING TOMORROW'S PRAISE」 、スケールの大きな開放感が空に突き抜けるような 「MEH NO MAE」 、比較的弾けたスピード感とギターノイズ度が一番前作に近い 「ME & MARY」 など。不思議ちゃんワールドが純潔で幻想的な方面へとさらに拡大進行していった、外向きかつ内向きのベクトル。ある意味病状が深刻化してると言えるかも。


Rating: 8.2/10
Links: 【公式】 【MySpace】 【Wikipedia