アリス九號. 「VANDALIZE」

VANDALIZE

VANDALIZE

2004年結成の5人組による、1年2ヶ月ぶりのフル3作目。


L’Arc〜en〜CielLUNA SEA あたりのポップサイドを抽出拡大し、キャッチーかつ派手に飾り立てたヴィジュアルビートロックの王道スタイル。ヴォーカルは hydeLa’cryma Christi を足して2で割った感じの明るく伸びの良い声質で、その声とポップなメロディを素直に中心に立てた作りになってます。また 「RAINBOWS」 のディスコビートや 「Drella」 のモダンヘヴィネスなど最近の流行にも気を配り、メロウなミドル曲 「昴」 「Waterfall」 、ピアノ独奏による 「MIRROR BALL」 といった多彩な曲調でドラマチックな起伏を作るという、その辺もある種ヴィジュのマナーを真っ直ぐに踏襲した感じかと。決して驚くような発見やアクの強い個性があるわけではないですが、メジャー感満載のフレッシュな力強さを持ったポップロックという所で安心して聴ける (そういう意味ではナイトメアに近いかも) 。 「the beautiful name」 「百花繚乱」 「イノセンス」 とか気持ち良い疾走感でなかなか良いですね。ただやはり90年代後半の先人バンドと違いを見出しにくいという短所も拭い切れないので、ここからさらに一歩踏み込んでどう彼ららしさを打ち出すか。さらなる進化を望みます。


Rating: 7.2/10
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