DAN DEACON 「BROMST」

Bromst

Bromst

ニューヨーク出身のソロアーティストによる2作目。初めて聴きました。


ちょうどおもちゃ箱をひっくり返したという形容がピッタリなエレクトロニカサウンド。 「Build Voice」 「Snookered」 「Get Older」 などは空気が熱を帯びて膨張していくように頭からケツまでクレッシェンドしっ放しで、チップチューン風のコミカルなシンセ、可愛らしいベルや木琴の音色、人々の歌声や笑い声などが徐々に重なり合い、やがてカオティックな勢いを生み出して過ぎ去っていく。何処となくノスタルジックな雰囲気と Boredoms にも通じそうな無軌道なパワー、自由度の高い遊び心が入り乱れまくり。そういった曲を構成してるパーツや全体から受けるイメージは底抜けにポップなんですが、どうもそのポップさが肉感的な心地良さに繋がらない。好みが違うと言われればそれまでですけど、様々な音の鳴り/配置などに拘りすぎて頭でっかちに陥ってる気がするのですね。勢いがある割にメロディやリズムの起伏が掴みづらく、捉え所を見つけられないまま終わってしまうというか。エレクトロニカ系のインテリ面が悪い形で出てしまってると思いました。チップチューンとして見ればやっぱり幼少期からトラウマレベルで刷り込まれてる日本人の方が面白いなーと。


Rating: 5.8/10
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