kyte 「science for the living」

SCIENCE FOR THE LIVING

SCIENCE FOR THE LIVING

平均年齢20歳、イギリス出身の4人組による2作目。初めて聴きました。


Sigur RosMogwai などのポストロック、あるいはネオシューゲイザーといったジャンルを基盤として、繊細なピアノやニューウェーブ風シンセも随所に導入しながら、あくまでオーセンティックな歌を中心としてます。決して派手ではないけど自然に耳に馴染むメロディ/ハーモニー、肩の力の抜けた静かな歌声が、演奏陣の奏でるアブストラクトな透明感/浮遊感と同化しながら、高い空に溶け込んでいくかのように大きなスケールで開けていく。ダイナミックな轟音ではなくあくまでソフトに、緩やかに淡い感傷を滲ませていく感じ。メインストリームのポップスとして聴いても違和感はなく、極めて真っ当にリリカルな美しさを際立たせているのですが、それが逆にロックバンドとしての体力の弱さ、意識を惹き込む磁力の薄さにも繋がってる気がします。正直手垢のつきまくった表現スタイルと言えばそうだし、サウンド全体が無菌状態にまで洗練されすぎててこのバンドならではというアクの強さ、インパクトに欠けると思う。もっと現実世界に背を向けてファンタジーに突っ切るか、眩しい陽の光ばかりじゃなくたまには影も欲しい。


Rating: 6.4/10
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