APOGEE 「夢幻タワー」

夢幻タワー

夢幻タワー

1年5ヶ月ぶりとなる3作目。


また随分と肩の力が抜けてると言うか、えらくシンプルになりましたね。以前の 「ゴースト・ソング」 や 「アヒル」 のような挑戦的/実験的ナンバーはほとんど無く、ギターやシンセの音数はそこそこに抑えられ、素朴なメロディをゆったり聴かせることに重点を置いた作り。様々な試行錯誤を経てナチュラルな歌モノへと回帰し、元々バンドの核に備わっていたメロディセンスを味わえるということでしょうけど、うむー個人的にはちょっと退屈に感じてしまう。確かに柔らかい丸みを帯びたヴォーカルはその路線に合ってるとは思いますが、そういった素朴さも確かなテクニック/理論に裏打ちされたフリーキーなアレンジがあってこそだと個人的には思ってたので、その一番の魅力が抜け落ちてるというのはどうしても物足りなさが残ります。素朴を通り越して地味に感じてしまうし、聴き応えが薄らぐというデメリットの方が大きいと思う。ちょっと前にメンバーが J-POP の有名どころを弾き語りカヴァーしてましたけど、今の彼らはそういう歌モノ志向なんでしょうかね。その現在のモードとこちらの求めるものが食い違ってしまった、残念な印象でした。


Rating: 5.0/10
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