JJ 「JJ N° 2 」


詳細不明、スウェーデン出身のユニットによるデビュー作。


バンド名が無機質ならタイトルも無機質、だけど中身は予想外と言うか何と言うか、とてもちっちゃくて可愛らしい不可思議幻想ポップスです。中性的ヴォーカルと奥行きのある音響処理が北欧らしいミステリアスで低熱なムードを醸しつつ、 Blonde RedheadMew なんかのポップ要素を抽出した感じのほんわかメロディと、程良くアップテンポな4つ打ちビートが控え目ながら陽性のカラフルさを見せ、さらには装飾としてボンゴやスティールパン風の音色も入り混じり、もう北欧なんだか南国なんだかよく分からんけど 「ここではない何処か」 であることは確か。音楽は現実世界から遠ざかるほど素晴らしくなるという法則がありますからね。全曲2〜3分台で耳当たりの良い清涼感と郷愁に満ちており、本当にサラッと聴けるのだけど何気に頭に残るキャッチーさも備えてるという、それってある種ポップミュージックの理想なのではと。不可解な笑い声が木霊する中盤 「Intermezzo」 以降さらに音の密度が増してくるのも面白い。小難しいこと抜きに高品質ポップスとして人を選ばずオススメできる好盤です。


Rating: 7.8/10
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