ALI PROJECT 「Poison」

Poison

Poison

オリジナルとしてはちょうど1年ぶりとなる10作目。


2000年代に入ってからの彼女らは完全に作風の固まった感がありますが (それ以前は未聴) 、この新作もその路線から大きく逸れることは無く、いつもの味を打ち出してます。コシの強いエレクトロニカサウンドに優美なストリングス、ハイからローまで目まぐるしく展開するメロディ展開に豪華絢爛でデカダン、かつ文学的な詞世界。以前より音がスッキリ整理整頓されて聴きやすくなった部分もありますが、それでもそのドギついまでにキャッチーなアリプロ節はインパクト大。スウィングジャズ歌謡風の 「極色一代女」 はまるで椎名林檎かと思ったけど、変化球としては面白いかと。ただやはりフォーマットが完全に定まってしまってる故の、目新しい点がほとんど無く飽きるのも早いという弱点は否定できないですね。オープナーの 「Poisoner」 なんかは正しくアリプロの王道ナンバーだと思うのだけど、以前のキラー曲に比べるとメロディが持つパワーの弱さがどうしても気にかかる。作品を重ねるたびにこっちの耳も慣れてくるので、どれだけ派手な作りでも引っかかりに乏しくスルーしてしまいがちなんですよね。ちょっと厳しかったです。


Rating: 5.2/10
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