THE BIG PINK 「A BRIEF STORY OF LOVE」

Brief History of Love

Brief History of Love

ロンドン出身の2人組によるデビュー作。


このバンドも新世代ネオシューゲイザーの一派ですね。ミステリアスで美しい透明感/浮遊感と、圧倒的な轟音ギターによるラウド感。大きなスケールで立ち昇るかのようなメロディが醸すメジャー感と、輪郭の滲んだ音作りによる耽美的かつ内省的なアングラ感。ダンサブルなエレクトロニクスを導入し洗練された感覚と、盛大にフィードバックノイズを撒き散らすポジパン風の猥雑とした感覚。そういった相反する感覚の様々がひとつの楽曲の中に溶け込み、聴き手を惑わせながら陶酔させるディープな音像が刺激的です。特に前半の 「Too Young To Love」 「Dominos」 などは90年代マンチェスタームーブメントに通じるアッパー感も強く感じられるとともに、そのメロディが目の前の視界を切り開くような力強い高揚感に満ちていて、良い意味でインディバンドの枠に収まらないキャッチーさがあると思います。ノイズ塗れながら意外に毒気は少なくて聴きやすく、個人的にはもっとクセを強くしてほしい気もするけど、その複雑に絡み合う重層的サウンドは十分聴き応えあると思います。あとジャケットの頽廃的でスタイリッシュなセンスは非常に好み。


Rating: 7.2/10
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