sgt. 「Capital of gravity」

Capital of gravity

Capital of gravity

ミニアルバムとしては4年ぶりとなる2作目。


大きく翼を広げるように木霊するエレクトリック・ヴァイオリンの優雅な響きと、それに真っ向から対峙するかのように荒々しさを持って迫るギター、そして全体のうねりにより明確な輪郭をつけるリズム隊。クラシックに通じるメロディの幻想的な美しさとバンドアンサンブルが打ち鳴らす険しさ、それら相反する要素が共存して生み出される荘厳かつ深遠なドラマチシズムは、最近の所謂ポストロック勢の中では頭一つ抜け出てると思います。ただ昨年のフルレンス 「Stylus Fantasticus」 を経験してる身としては、そこまで大きな驚きというのもなく冷静に聴けてしまうというのが正直な所。ラストの最長尺曲 「Epsilon」 がジャズ風のムーディな空気も内包した音世界の深みでドップリ耽溺させてくれるのと、トライバルな躍動感とフリーキーなデジタルエディットが散りばめられた 「銀河の車窓から」 リミックスは本編の空気を損なわず異色な面を見せていて面白いですが、それ以外は個性的ではあるものの、やはり前作の地点で足踏みしてる感は否めないですね。あとブックレットの小説は蛇足じゃないかな…。微妙に音のイメージと合ってるような合ってないような、その辺は狙いなのかも。


Rating: 6.6/10
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