dip 「AFTER LOUD」

AFTER LOUD

AFTER LOUD

約2年ぶりとなるフルレンス8作目。


今回のヤマジさんはリラックス。ファズの効いたオルタナティブな攻撃音、フォーキーなワビサビを含むアコースティック、昏睡の底に沈んでいくようなサイケデリック、それらがいずれも引き出しの内にある 「ギターサウンド」 として同列に扱われており、楽曲毎にフットワーク軽くスイッチされる。その全てが実に手慣れた様子で、変に気張らず昔ながらの愛着を持って鳴らされてる印象を受けるのが、この人らしいと言うか何と言うか。ディスコパンク調が新機軸な 「MORNING STARS」 にしても、 「最近こういうの流行ってるっぽいから演ってみよっか」 くらいの軽いトーン。なおかつアルバムタイトルが 「轟音の後に」 というのは非常に興味深いですね。ギターロックバンドとして長く曲がりくねった道程を経てきて、 「結局やっぱこういうのが好きなんだよなー」 という趣味の根源みたいな部分をすんなりと打ち出す、ベテランならではの余裕。前作 「feu follet」 でも思ったけど、おそらく若手が演っても大した面白みは出てこない、 dip が演るからこそ意味のある音楽という感じ。さらにジャケ内にはヤマジ本人によるエフェクターズラリなイラスト。あなた本当ギターオタクにも程がありますよ。


Rating: 7.2/10
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