2562 「unbalance」
- アーティスト: 2562
- 出版社/メーカー: Tectonic
- 発売日: 2011/02/14
- メディア: CD
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この人も所謂ダブステップですね。前作 「Aerial」 はダブの深遠な奥行きと異様に研ぎ澄まされたシャープな音の鳴り、虫が反応するレベルの周波数で唸る低音ベース、そういった音響性に特化して余計な不純物は含まない、非常にミニマルかつストイックな作りだと感じました。そして今作はと言うと、ミニマリズムからはやや脱却して上モノ/リズムパターンともに幅が広がり、若干色味が増して取っつきやすくなったような印象を受けます。もちろん普通の基準で考えるとかなり抑揚の抑えられた無機質な作りではあるんですが、慎重に音のテクスチャーを足し引きしながら独自のサウンドスケープを広げていく、その展開や音自体の質感は前作と比べると妙にメロウに感じられます。 「Dinosaur」 「Love in Outer Space」 辺りではフリーキーな遊び心すらも垣間見えたり。またその一方で内省の淵に意識を収束させていくような表題曲 「Unbalance」 「Superflight」 はなかなかの磁場の強さ。ずっと集中して聴いてると疲れてくる所もありますが、まるで暗闇の中で光が仄かに明滅するような、その深くミステリアスな空間は聴き応えあると思います。