Atlas Sound 「Logos」

Logos

Logos

Deerhunter の中心人物、 Bradford Cox によるソロユニットの2作目。


昨年の Deerhunter 本隊による傑作 「Microcastle」 では毒々しくも美しい幻想シューゲイズ・ポップを展開していましたが、今作でもその路線は踏襲されています。全ての音がサイケデリックな音響処理によって境目なく一つに溶け合い、空間的に広がってミステリアスな浮遊感を醸し出す。 「夢見心地」 というムードが暖かく心地良いものであるのと同時に、現実世界にキッパリ背を向けた引きこもり病的要素も孕んでいることを体現する、ある意味で危険とも言えるサウンド。さらに今作ではソロユニット名義ゆえにロックバンドとしての骨組みも除去され、エレクトロニカ的な実験性の方が前面に出ており、そのぶん危険度もバンド本隊より増大してます。 Panda Bear (Animal Collective) 参加のノイズと無邪気さが交錯する 「Walkabout」 、 Laetitia Sadier (Stereolab) 参加の陶然とするほどの美しさを誇る長尺曲 「Quick Canal」 では幾分か外を向いたポップネスが素直に響いてきますが、それ以外では音の放つ瘴気が強すぎるというか、ベクトルがあまりにも内向きすぎて若干キツくなってくることもしばしば。彼らしい個性が存分に発揮されてるとも言えますが。


Rating: 6.8/10
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