toe 「For Long Tomorrow」

For Long Tomorrow

For Long Tomorrow

フルアルバムとしては約4年半ぶりとなる2作目。


ゲスト陣によるヴォーカル、シンセ/エレクトロニクス、パーカッション等々バンドサウンド以外の装飾が比重を増した一方で、バンド本隊の演奏からはさらに明確なフレーズが減り、アブストラクトに空間を彩るスタイルを重視。その結果本隊と装飾が同等に扱われてると言うか、従来のイメージを踏襲しつつアプローチの禁じ手が解除され、バンドという枠組みに囚われない多彩なサウンドを構成しています。様々なアイディアが過積載のゴテゴテした感じにはならず、あくまで風通し良く、リリカルに風景を描く楽曲の一部として導入されてる。しかしながら、インストにも拘わらず各楽器がひどく 「歌心」 を感じさせる表現の豊かさがこのバンドの核だと思うのですが、アイディア/実験性を打ち出すことに囚われてその核の部分が後ろに引っ込んでしまってるような気がします。どうも一聴したときの取っ掛かりに欠けていて、特に前半は随分と地味に感じる。 「ラストナイト」 「グッドバイ」 などの新要素導入が高次元で成功した秀曲もありますが、ポストロック/マスロックとして目新しい部分があるかと言うと微妙だし、頭でっかちの状態に陥ってしまってる印象を受けました。うーん少し期待しすぎたかも。


Rating: 5.8/10
Links: 【公式】 【MySpace】 【Wikipedia