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2000年代ベスト50選 (邦楽編)

FEAT


こんにちは、ついに最初の10年が終わろうとしてますね。雑誌やウェブなど各メディアではすでに行われていますが、俺もこの10年間をまとめて振り返るという作業をしたいと思います。ヒマでしたらお付き合いください。


まず俺がこの10年間でどんな変化を経たか。16歳から26歳になりました。16歳から26歳っていったら誰にとっても激動の10年なわけじゃないですか。俺にとってもそう。ブームの洗礼を受けてほとんどヴィジュアル系にしか興味がなかった田舎モン高校時代から、 卒業後 Osucka という大都会で一人暮らしを始め、それからというもの実家周辺とは文字通りケタ違いの情報量に圧倒され、とりあえず世間一般で話題になってるもの、名盤と謳われてるものは片っ端から手をつけてみようとアンテナを広げていきました。そしたら浅く広くも良いところっていうか、本当に各ジャンルの表層を齧る程度に漁るような聴き方になっちゃいました。元々根っこがヴィジュアルだしミーハーなのは生まれ持った性分なのです。一週間単位でジャンルへの興味が移り変わるくらいの勢いで、そんな風に拡散が進むにつれて作品一枚に裂く時間が短くなり、思い入れが生まれづらくなったというのもあります。作品自体の出来の良し悪しに拘わらず、盲目的な思い入れが生じるってのは10代にしかできない荒業ですよねー。しかしそういった様々な音楽を聴く中で自分の好みのラインを再確認する、という感覚もあったりします。そんな中から今でもたまに思い出して聴き返すことのある作品をリストアップするの巻。まずは邦楽から。長いよ。




50. BOOM BOOM SATELLITES 「PHOTON」

PHOTON

PHOTON

最近の享楽的ダンスロック路線も良いのは良いけど、個人的にはこの 「PHOTON」 や 「UMBRA」 の頃が最も、ロックでもクラブでもないブンサテらしさというものを確立してたような気がします。 「UMBRA」 がリズム隊のヘヴィな鳴りをフィーチャーしつつ、内省的なダークネスを纏って内に内に向かっていくストイックな作風だったのに対し、こちらはジャケにも表れてる攻殻機動隊なんかのサイバーパンク的世界観を打ち出し、楽曲の幅を押し広げて幾分か聴きやすくなってます。ジャズを導入してクールネスを強調した 「BERUGA」 、 At the Drive-in を大胆にサンプリングした 「DRESS LIKE AN ANGEL」 など、サイバーパンクという単語から受けるイメージを様々な形で拡大解釈した楽曲群。ナレーション風のヴォーカルが多いのもクールという印象に拍車をかけてます。アグレッシブな曲調でも明快にアゲるのではなく、冷たい闇を突っ切るようなスリル感があり、それがひどく刺激的に響く。




49. MO’SOME TONEBENDER 「LIGHT, SLIDE, DUMMY」

LIGHT,SLIDE,DUMMY

LIGHT,SLIDE,DUMMY

最近のモーサムはテクノに走ったりやたらコミカルになったりとコロコロ作風を変えており、それが個人的には迷走してるようにしか思えないんですが、この頃に関しては抜群に格好良かったです。刺々しく殺気の籠もったギター、強靭な躍動感で迫るグルーヴ、そして頭のネジが数本飛んだような素っ頓狂なヴォーカル。それらが一体となってユーモラスと狂気の中間を綱渡りするような、不穏な緊張感に満ちたオルタナティブサウンド。目の据わった笑顔でグサグサ突き刺すナイフのような一線越えた愉快さで背筋を凍らせる。ド頭に据えられた凄絶キラーチューン3連発はもちろん、苛烈なテンションの 「SIDE B」 やトライバルな実験曲 「PHASE 807」 といったインスト曲も挟み、トータリティにも気を配った完成度の高さ。終盤のメロディアスな曲でも緊張の糸はほとんど緩まず、そのダークネスには聴いてて強く身体を突き上げられ、同時に痺れさせられました。




48. 夢中夢イリヤ -il y a-」

イリヤ-ilya-

イリヤ-ilya-

MySpace で先行配信されてた 「眼は神 / L'oeil est Dieu」 を聴いた瞬間、このアルバムは素晴らしいものになるに違いないと確信したものでした。ポストロック/ヘヴィメタル/クラシック/ミニマルと多様なジャンルを咀嚼した音楽性は前作を踏襲していますが、ほぼ全曲に歌メロを立てて窓口を広げると同時に、ピアノやヴァイオリン、女性ヴォーカルの美とノイジーなバンドサウンドの醜を分かりやすく対峙させ、いささかとっ散らかった印象も残る前作からグッと焦点を絞り、トータリティとメジャー感も増した作風。オペラ風女性ヴォーカルや高速2ビートといったパターンがどの曲でも似通ってるとか、ポストロ的構成 (静寂→轟音→静寂) が手法として在り来たりとか、ケチつけられる箇所が決してないわけじゃない。でもそんな弱点を補って余りあるほどの陶酔的な美しさ、激しさにツボを突かれまくりでした。




47. babysitter 「空しい空の空」

画像が真っ白なのは仕様です。現在は既に解散してる新潟出身の4人組。高音ヴォーカルの声質が似てるからよく Laputa と比較されますが、俺的には Laputa よりもこっちの方が断然格好良いと思う。クリーンと刺々しさを併せ持った独特の質感で迫るギター、変拍子も随所でキメてくるテクニカルなリズム隊、そこにほんのり和風なサイコホラー的世界観を打ち出しつつ、独自の言語感覚でユーモラスな言葉遊びも交えた歌詞が乗る。メロディの憂いと攻撃的アンサンブルが調和する中に、トリッキーなアイディアをそこかしこに仕掛けて意表を突き、なおかつ8曲32分と一切の無駄なく纏めるセンスの良さが素晴らしい。特にラストを飾る表題曲 「空しい空の空」 はヘヴィかつエモーショナルな突き抜け方を見せる名曲。決して先人の真似では終わらない、ダーク系ヴィジュの中でも一風変わった個性を発揮した裏名盤です。ヴォーカルは現在 cocklobin として活動中。




46. トルネード竜巻 「ふれるときこえ」

ふれるときこえ(初回限定盤)

ふれるときこえ(初回限定盤)

現在は活動休止中の4人組。空間的に浮遊するシンセ音はテクノ/エレクトロニカ、歪んだ音で全体にスパイスを与えるギターはオルタナティブ、熟達したテクニック (特にリズム隊) と細部まで練り込まれたアレンジはプログレといった風に、豊かなバックボーンに裏打ちされた奥深い楽曲群。しかしそれを難解なものには感じさせないメロディセンスと、清涼感のある女性ヴォーカルが素直に J-POP として気持ち良く聴かせてくれる。このメジャー2作目ではそのメロディが以前よりさらにオープンな広がりを見せており、演奏のアクを薄めずにポップスとして順当なステップアップを見せた好盤です。密度は濃いのに喉越しスッキリというこのバランスの妙には思わず唸らされる。特に2曲目 「言葉のすきま」 は可愛らしい歌詞と軽やかな4つ打ち、カラフルな演奏が高レベルでマッチした名曲。今思うと APOGEEschool food punishment といったミュータントポップバンドの先駆けでしたね。




45. NATSUMEN 「NEVER WEAR OUT yOUR SUMMERxxx!!!」

NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER XXX!!!

NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER XXX!!!

AxSxE が後期 BOaT でやり残したことを完膚なきまでにやり切るために、各方面から熟達プレーヤーを招集して結成された大所帯集団。ポストロック/カオティックコア/フリージャズ/その他諸々を同じ鍋にブチ込み、解読不能の変拍子やインプロなどハイレベルなテクニック/理論を全編において駆使した楽曲。しかし頭でっかちなプログレには終わらず、そこでは夏にしか生まれない刹那的な狂騒と、夏が終わりに向かう時の甘酸っぱい感傷、その二つが互いをブーストし合う形でごちゃ混ぜになり、大きなカタルシスとなって聴き手の胸を強く打つ。ライブとスタジオの音源をミックスした作りが曲の魅力を倍増してるとともに、ライブバンドとしての実力もアピールできるという一石二鳥な手法も面白いです。ただテクニックに酔わずにあくまでも衝動を最優先、何処まで最高気温を更新できるかに心血を注ぐ怒涛の演奏。俺は冬が好きなんだけど、これ聴くと夏も悪くないなって思うよ。




44. lynch. 「THE AVOIDED SUN」

DIR EN GREY やムックがワールドワイドな成功を果たして以来、メタルコア/スクリーモなどのモダンヘヴィネスを取り入れたバンドが急増しましたが、その中でもこの lynch.LUNA SEA 直系の耽美なメロディラインとメタリックな攻撃性の融合をスムーズにこなし、ある意味日本人らしいと言える新種のメロデスを展開しています。キラーチューン 「i'm sick, b'cuz luv u.」 「roaring in the dark」 を筆頭に、デスシャウト〜流麗なサビメロという必殺パターンを完全に自分のモノとして確立しており、どの曲にもしっかりフックが備わっていて身体に響いてくる。同じ系統の Sadie や girugamesh といった若手バンドと比べると若干地味な印象は残りますが、焦点をはっきり定めて軸をブレさせずに作風を維持してるという点で、個人的にはとても好感触な一枚。夢中夢と並んでいつまでたってもこういうのがツボなんです。




43. グルグル映畫館 「轍」

顔面白塗りに学ランという異様な出で立ち、昭和/戦前歌謡やらフォークやらパンクやらを取り込んだ音楽性、寸劇を挟みながら進行するライブと、 MALICE MIZER とは別の方向でヴィジュアル系という表現形態の極北を開拓した超ニッチバンド。しかしこれが確実に他にはない独特の味を発揮していて面白かった。演奏はお世辞にも上手いとは言えないのだけど、メンバーの憎めないキャラと相まって親しみやすさを生み出しており、これもまた味。それでこの作品は過去の CD 未収録曲を再録したベスト的内容。静かな哀愁に満ちた 「月に行った猫」 や牧歌的な 「赤い花・空の青」 、変態パンク曲 「時には少年のように」 など彼らの多面性を分かりやすくパッケージした好盤であります。この作品リリース後に大胆なメンバーチェンジを行ってからは、テクニックが向上した代償にバンドとしての勢いは一気に失速してしまったのだけどね…。




42. 櫻井敦司 「愛の惑星」

愛の惑星

愛の惑星

2004年は各メンバーが課外活動を展開した BUCK-TICK 。そのヴォーカリストによる初のソロ作品は国内外から様々なコンポーザーを招き、実に多彩な楽曲が揃ったのですが、その中で本人の個性は薄れるどころかさらに強烈なアクの強さを持って浮かび上がっています。肉感的な生々しさ、自分の内面に向かうシリアスさを持って力強く 「生と死」 を描き出す歌詞。天使と悪魔が同居したような、シアトリカルでクールな深みを湛えたミッドローヴォイス。そういった彼ならではの武器を最大限に生かしたスピリチュアルな高品質ポップスの応酬。岡村靖幸による 「SMELL」 は下手すりゃ本人が歌う以上にエロティックだし、佐藤タイジによる 「胎児」 ではもはや崇高さすら漂う。自家中毒に陥ることなく己の個性を上手く純化し表現した傑作です。この時期に髭 (HiGE) や my way my love といった若手を起用してる慧眼も重要かも。




41. 大正九年 「KYU-BOX.」

KYU-BOX.

KYU-BOX.

静岡出身の宅録シンガーソングライター。80年代ナゴムレコード勢に影響を受けた所謂不思議ちゃんですね。この作品はメジャーらしく洗練されたサウンドとポップで聴きやすいメロディが引き立ち、こじんまりした手作り感を残したまま物理的グレードアップを遂げた良質ミニチュアテクノポップが詰まってます。ノスタルジックな寂寥が滲み出る 「二人占め」 「3つの世界」 「far day」 あたりは純粋にポップスとして普遍的な良さがあると思う。不思議要素が痛くなりすぎないスパイスとして配分されてるバランスの上手さが良い感じです。そんでラスト 「ネットで叩いてやる!」 は特撮とのコラボ曲。それまでの流れと全く関係なくどう聴いても特撮なハードコア曲で笑える。オーケンはこういう若手に対するアンテナが何気に敏感なんだよなー。ちなみに聴きやすさを重視した反動からか、次作 「モンドダイア」 では良くも悪くも悪ノリが炸裂。こちらも良いけどね。




40. イルリメ 「www.illreme.com」

www.illreme.com

www.illreme.com

オイラ基本的に日本語ヒップホップ、と言うか日本語のラップというものが苦手なんですが (何せスチャダラパーTHA BLUE HERBShing02 もほとんど引っかからなかった) 、このアルバムだけは違いました。多分 Joseph Nothing 全面参加によるトラックが大きなウェイトを占めてると思うのですけど、様々な音をカット、コピー、ペーストして自由奔放にバラ撒いたフリーキーなエレクトロサウンド、そこにイルリメ本人の軽妙なユーモアの効いたラップが乗っかるという、このコンビネーションが実に痛快でグングン聴き進められる。 MELT-BANANA の曲をほとんどそのまま流用した 「banana boot」 は破壊力抜群、同様に LABCRY の曲を流用した 「トリミング」 はほのぼのした暖かさが涙腺を緩ませる、どちらも反則スレスレの荒業だけど名曲です。ラディカルでコミカルで最後は笑顔な傑作。




39. ELLEGARDEN 「ELEVEN FIRE CRACKERS」

ELEVEN FIRE CRACKERS

ELEVEN FIRE CRACKERS

それまではパンク/メロコアらしくカラッとした明るさで突き抜ける方向性だったはずが、このラスト作では制作当時の心境が表れたのかシリアスな緊張感に満ちた作風に。アンサンブルはさらに骨太な厚みを増し、切迫した泣きのメロディと一体になって生き急ぐようにガツガツと疾走する。英語詞と日本語詞が違和感なく交錯しながら大らかな広がりを見せる 「Winter」 、一際アグレッションの強い 「Gunpowder Valentine」 などは特に新しい味かと。そういった目指す音の変化があってもメロディのキャッチーさや肉感的なタフネスはまるで損なわれてないし、バンドの姿勢にはまるでブレが無いという所でしっかりと説得力が備わってる。最終的にオリコン一位も獲るほど超人気バンドとなり、ライブ見た時はアイドルのコンサートばりに黄色い歓声が飛んでたけど、アレ本人たちはどう受け止めてたんだろうね。決して浮き足立つことなく底力を見せた快作。




38. honeydip 「groovy indian summer」

SUGIZO のインディーズレーベルに所属していた4人組の4作目フル。元々はシューゲイザーバンドとして始まったと思うんですが、このアルバムではタイトル通り 「夏」 をコンセプトに、山下達郎風シティポップやテクノ/ニューウェーブネオアコなどの要素を取り入れて一気にカラフルになりました。目一杯に眩しく輝く青空、穏やかなさざ波の音と涼やかな風、蝉時雨の向こう側に揺れる陽炎、そんな夏色青春グラフィティをあざといぐらい完璧に描き切った一枚。自在に緩急をつけた構成でサラサラと流れながら、どの曲もひたすらに甘酸っぱく、鮮やかなセンチメンタリズムで弾けまくってます。その一方で様々なギター/シンセサウンドを駆使したアレンジは空間を埋め尽くすほどに濃密で、単なるオサレ気取りで終わらない聴き応えがあります。特に 「cure」 はシューゲ好きなら必聴のノイズテクスチャー。夏の始まりから終わりまでがここには綺麗に詰まってる。




37. GOATBED 「SYNTHESPIANS」

シンセスピアンズ

シンセスピアンズ

cali≠gari 活動停止後、メンバー各々新バンドを結成した中で最も活発だった (それでも一般的に見ればひどくマイペースだけど) 石井秀仁率いる GOATBED 。鮮やかな毒に彩られた70〜80年代ニューウェーブ/テクノポップからの影響を包み隠さず打ち出し、作品を重ねるごとにポップさを増しつつ音の精度を高めていったわけですが、個人的にはこの作品が最も充実度の高い内容じゃないかと。スリリングにドライブする 「CIRCUIT WOLF」 や刹那的なアッパー感で突き上げる 「DISCOMA」 「RODEOLOGY」 などでは若干ロック色も強まってアグレッシブな勢いがつき、同時に女性コーラスを上手く起用して上モノの艶やかさも過去最高値。80年代特有の時代錯誤な恥ずかしさみたいなものも確信犯的に武器にする、重度の NW ジャンキーたる石井氏ならではの個性がギラギラ。 Olivia Newton John や渡辺美里のカヴァーも意外なようでドンハマりです。




36. ゆらゆら帝国 「空洞です」

空洞です

空洞です

このバンドもアルバム毎に方向性が変わるので代表作を選出しにくいんですが、 「ゆらゆら帝国」 というけったいなバンド名のイメージに一番近いのはこの最新作じゃないかなーと。以前のガレージ/オルタナロックンロール要素はほとんど後退してしまい、トレモロやディレイが醸すサイケな酩酊感を重視、ソウル/ファンク/ディスコ辺りからも影響 (電波) を受けてみたり、ついでに超スウィートなサックスやワビサビ溢れる尺八などギャグスレスレのアイディアも随所に取り入れた結果、ひたすら脱力してスカスカなのに濃密な空気が充満し、グルーヴの心地良さがありそうでなさそうな生温いテンションがいつまでも持続し、坂本慎太郎の妙にセクシーな歌声が徐々に脳内を侵していく、そんなシュール極まりない異形のアンサンブルが生まれましたとさ。何処まで行っても孤高は孤高ということの証明でもあります。




35. メリー 「アンダーワールド

アンダーワールド(初回限定盤)(DVD付)

アンダーワールド(初回限定盤)(DVD付)

メリーと言えば自らの音楽性を 「レトロック」 と称し、ヴィジュアルビートロックと昭和 GS 歌謡曲を融合させた楽曲を作ってきたわけですが、それまでの 「歌謡曲」 というスタイルに拘ったメロディ重視の楽曲から、今作ではどの曲も刺々しく薄汚い音作り、パンキッシュなツタツタ2ビートで力一杯疾走というライブを強く意識した作風へと方向転換しており、それが確実にプラスに現れてます。ひたすら前につんのめる性急なスピード感、初期衝動的な荒々しさでメロディの哀愁が暑苦しくブーストされており、血を滾らせるとともに強く胸を打ってくる。特に 「Friction XXXX」 「under-world」 「[human farm]」 「カナリア」 、あと異色の明るさを持った 「閉ざされた楽園」 なんかも最高。それ以外でもほとんど勢いを殺さず生き急ぐ高速パンクチューンの連打で身体を突き上げられっぱなし。この速さと熱さはここにきてようやくやってくれた!という感じで、本当にね、グッとくる。



34. Ali Project 「dilettante」

Dilettante

Dilettante

2000年代に入ってからは完全に作曲フォーマットが固まった感のあるアリプロですが、全体のトータリティで見ればこの作品が一番だと思う。宝野アリカ嬢のまるで年齢不詳な蠱惑的ハイトーンヴォイス、五線譜の上をアクロバット飛行するかのようなドギツいメロディライン、ひたすらチープでキッチュな打ち込みと厳かな弦楽隊が絡み合う濃厚サウンド、さらにエレガントゴシックロリータを軸に置きつつ新撰組/北京/昭和などの雑多なモチーフを取り込み、それでも軸のブレない強固な世界観。 「愛と誠」 のような王道キラーチューンはもちろん、ヴァラエティに富みつつ少し落ち着きを見せる終盤でもその濃さは持続し、夢魔のような甘い毒にひたすら圧倒される。ある意味日本でしか生まれ得ない瘴気も粘り気もたっぷりな豪華絢爛酒池肉林の宴。日本って狂う時は本当に予想できないような狂い方しますよね。



33. deadman 「no alternative

攻撃性を打ち出そうとすると何かとメタルに向かいがちなヴィジュアル界において、グランジ/オルタナ寄りの刺々しくザラついた砂塵サウンドを鳴らした稀有なバンド。枯れた憂い/翳りを感じさせるメロディとささくれ立ったバンドサウンドが絶妙にマッチ、そこにフロントマン眞呼氏のホラーダーク (時にコミカル) な色が加わり、彼ら独特と言える渋い味のあるヘヴィサウンドを生み出しています。メロディ主体の前半とアグレッシブな後半に分かれた構成ですが、前者では暗がりの中で煌めくようなギターリフが素敵な 「盲目の羽根と星を手に」 、後者では異様に明るいサビが逆に狂気を感じさせる 「circus」 、ノイジーなギターを辛気臭く引き摺り倒す 「蟻塚」 あたり激ツボ。決して派手ではないけどマニアックな毒を含んだ個性が徐々にクセになってきます。再発盤 「2.0」 では全編リミックスが施され、さらに音が良くなって嬉しい限り。



32. 新居昭乃 「鉱石ラジオ」

鉱石ラジオ

鉱石ラジオ

本人が DJ を務めるラジオ番組のテーマ曲を発展させた企画盤。プロデューサー保刈久明氏の貢献度が高く、この作品が彼女にとって代表作かと言われると違う気もしますが、個人的にはやはりこれが一番好き。立体的な奥行きの中でフリーキーに音が交錯する音響エレクトロニカサウンドと、清涼感に満ちたウィスパーヴォーカル、それが醸すミステリアスなムードが同化し、 Stereolab にも通じる遊び心で彩られた高品質実験ポップスに仕上がってます。洒脱なラウンジ風の表題曲 「鉱石ラジオ」 、軽やかな4つ打ちを軸に音が広がる 「Satellite Song」 、夜の淵に沈んでいくかのような深さが染み渡る 「チェコの夢〜Fall」 など佳曲揃い。箸休め的インタールードを小まめに挟んでるのもあって、肩の力の抜けた作風でスッキリ聴ける。一時期実際にラジオを聴いていたので若干思い入れもあるんですよね。丑三つ時に聴く彼女の声は幻想そのもの。




31. Plastic Treeトロイメライ

トロイメライ

トロイメライ

名盤 「Puppet Show」 以降緩やかに下降線を辿っていったクリエイティヴィティに加え、ドラマー脱退にベスト盤連発と、バンドとして先の見えない状態が続いていた彼らの心機一転、底力を見せた一発。今まではプレイヤーに徹していた感のあるナカヤマアキラが今作から作曲/アレンジに大きく貢献し始め、その結果従来のポップネスを残しつつ全体の音がよりメタリックに引き締まって、以前とはまた別の個性を確立したのでした。轟音ギターリフと涼やかで切ないメロディが交錯する 「グライダー」 、ギターサポートで参加していた Coaltar of the Deepers からの影響を感じさせる 「散リユク僕ラ」 「プラットホーム」 、より攻撃性の増した毒が迫る 「ペットショップ」 「千葉市若葉区、6時30分。」 など粒立ちの良い楽曲揃い。メタル的アプローチというのはこのバンドとは無縁に思われたのだけど、これ以降 「Ghost」 などのキラー曲も生まれたし、やってみるものだなと。




30. あさき 「神曲

コナミ音ゲー作曲家による、今のところ唯一のアルバム。しかし中身はビーマニにもポップンにも全く似つかわしくない異形の怪作です。変拍子もバリバリ投入されたプログレッシブな曲展開、そこに耽美なメロディライン、ガシャガシャとソリッドに刻むギター、ツタツタ疾走2ビートといったヴィジュアルマナーをふんだんに盛り込み、日本怪談風の粘着的でおどろおどろしいダークネスを展開するというニッチにも程がある代物。しかしこれが他では確実に味わえない個性に溢れていて凄く格好良い。急速にドリフトやら脱線やらを繰り返す演奏は確かなテクニックに裏打ちされており、湿っぽい暗黒ムードと相まってひどくスリルに満ちてる。 「この子の七つのお祝いに」 とか特に毒素強くてヤバいですね。その一方で 「月光蝶」 「空澄みの鵯と」 ではポップメロディのセンスもしっかり発揮されており、キャッチーに響いてくるという。捻れた美学で貫かれた、これこそ隠れた裏名盤。




29. REDЯUM 「TOO YOUNG TO FALL IN LOVE」

TOO YOUNG TO FALL IN LOVE

TOO YOUNG TO FALL IN LOVE

「人力で Portishead を演ろう」 というコンセプトの下に結成されたらしい4人組。確かに陰鬱としたムード、シンプルなアレンジに流麗さもあるメロディ、そういった各パーツは Portishead の影響を強く感じさせますが、決して単なる模倣では終わってません。楽器隊は 54-71 ばりに一つ一つの音がシャープに研ぎ澄まされ、絞り込まれた音数で隙間を多く作ったアンサンブルと相まってひどく緊張感に満ちてる。そしてメロディには何処となく昭和歌謡風の艶やかさと湿っぽさがあり、同じダークネスでも本家ポーティスとはまた質の違った、日本人ならではの個性的なサウンドに仕上がってます。特に 「BLUE VELVET」 や 「葉隠」 の美しい哀愁、 「サイレント」 「CAR'S CRASH」 の濃密な混沌にはひどく意識を覚醒させられる。彼らのキャリアの中でもこの作品が一つのピークじゃないかと。逆から読むと 「殺人」 なバンド名は伊達じゃないですね。残念ながら昨年に解散。




28. sgt. 「Stylus Fantasticus」

stylus Fantasticus

stylus Fantasticus

所謂ポストロックのフィールドに属する3人組。メンバー自身 ROVO リスペクトを公言してるようで、確かにエレキヴァイオリンの音色など ROVO を彷彿とさせるパーツはそこかしこに見つけられます。しかし楽曲自体はテクノやトランスといった枠を剥ぎ取り、あくまでロックバンドとしての劇的なダイナミズムと、ファンタジックで耽美なイメージを前面に押し出してるという点で、俺は ROVO 以上にこのバンドを買っています。2次創作がオリジナルを凌ぐというのはよくある話ですしね。各パートの生き生きとした演奏が激しく火花を散らしながら拮抗し、時には嵐のように激しく、時には夜の海のような静けさを湛える。自分の目指す世界観を描くことに対して一点のブレも無い、説得力の備わった麗しさ。特に 「銀河を壊して発電所を創れ」 「ムノユラギ」 の長尺曲2連発が生み出すカタルシスは格別です。力強く空へとイメージを解き放つ、その優美な姿。




27. 小島麻由美 「愛のポルターガイスト

愛のポルターガイスト

愛のポルターガイスト

素朴な外見からは想像できないほどセクシャルな魅力を振りまくシンガーソングライター。ジャズ/シャンソン/昭和歌謡に思うさま傾倒した楽曲はひどく濃密で頽廃的、だけどこれ見よがしのギミックめいた濃さではなく、実にスタイルが堂に入っていると言うか、これだけの濃さを生み出すことが至って普通のことであるかのような、それくらい自然体な印象を受ける。本人のヴォーカルは耳元で囁くようなねちっこさ/艶やかさを持ち、ひどく年齢不詳であり蠱惑的。さらに渡辺等と ASA-CHANG によるファットな躍動感を見せるリズム隊、菊池成孔らのホーンセクションが場末のキャバレー的な如何わしさを助長させる。不意にパンキッシュに走る 「黒い革のブルース」 、濃密な空気が肺の奥まで侵すような 「ハードバップ」 、何処か間の抜けたラテンジャズ調 「恋はサイケデリック」 など、どの曲もひどくハードボイルドな刺激に満ちてます。夜を深めたい時にこれだけジャストな作品もそうそうない。




26. ART-SCHOOL 「LOVE/HATE」

LOVE/HATE(初回)

LOVE/HATE(初回)

Nirvana を筆頭とする90年代オルタナ/グランジブームへの憧れを包み隠さず、様々な (ドギつい類の) 青春/恋愛映画からのインスパイアも包み隠さず、ただ自分の中の感傷を思うさまブチまけるように、ただただ素直に良いと思う曲を作ったらこうなった、的な。薄汚く刺々しいバンドサウンドに乗せて歌われるのは 「堕落した君と僕の刹那的な繋がり」 これ以外にない。バンマス木下理樹の歌唱能力はハッキリ言って素人レベルだし、焦点を絞りすぎてるからか曲調の幅が極端に狭いのですけども、この作品では持ち前のポップセンスを最大限に発揮し、しっかり骨のある演奏も相まって等身大のリアルさを生み出すことに成功しています。特に表題曲 「LOVE/HATE」 までの前半パートはどれも秀曲揃いで流れるように一気に聴き通せる。時には居た堪れなくなるほどにジュブナイルで後ろ向き。だからこそ確実に刺さるものがあります。




25. Kalafina 「Seventh Heaven」

Seventh Heaven(期間生産限定盤)(DVD付)

Seventh Heaven(期間生産限定盤)(DVD付)

アニメ 「空の境界」 テーマ曲のために結成されたユニットのデビュー作。メンバーは皆ヴォーカル担当ということで必然的に意識が向くのはその歌なわけですけども、瑞々しい透明感と力強さを兼ね備え、流麗かつ緻密なハーモニーで聴かせる歌声は実に表現力豊かで、曲の中心で十分すぎるほどの魅力を持って響いてきます。また楽曲の方は王道 J-POP のキャッチーさを素直に打ち出しながら、ミステリアスな幻想性、エキゾチシズムや緊張の糸でメロディをさらに鮮やかに彩り、ポップソングとしての窓口の広さとともに深く没頭できる濃密さを生み出してる。軽やかな4つ打ちと深遠なポップネスが見事に合致した秀曲 「oblivious」 を筆頭に、全曲キラーチューンと言っても良いくらいメロディやハーモニー、アレンジが細部まで練り込まれた曲ばかりで、それら全てが中心の世界観からブレず、起伏に富んだドラマチックな流れを構築してる。 J-POP の正義はアニソンに在り。




24. COCK ROACH 「赤き生命欲」

赤き生命欲

赤き生命欲

茨城出身の4人組。音的には THE BACK HORN などにも通じる、ラフなヘヴィロックに乗せて歪んだ心の闇 (その裏側にある生きたいという力強い願い) をシリアスに吐き出すというスタイルですが、このバンドの場合は何処か朴訥とした印象のヴォーカルや中近東風味の妖しいメロディ感覚もあって、宗教的でアングラな胡散臭さが全体に蔓延してる。羽音が這い回るようなベースといいプログレッシブな曲展開といい、雰囲気はどう考えても変態。和風 System of a Down とでも言うべきか、もしくはそれ以上の濃さかも。しかしフレーズの一つ一つは実にキャッチーで肉体的即効性は高く、単なるこけおどしでは終わらない説得力がしっかり備わってる。赤は痛々しく禍々しくもあり、崇高な生の証しでもある血の色。このバンドやカリガリ、ムックのせいで茨城は変態バンドの名産地という先入観が出来上がってしまいました。




23. 鈴木祥子鈴木祥子

鈴木祥子

鈴木祥子

曲によっては ROVOカーネーションの面々が参加してますが、基本は本人の歌とピアノのみで聴かせる至極シンプルな作り。だからこそ感情の表現が痛々しいほど真摯な純度の高さを持って、聴き手に真っ向から迫ってくる。澄んだ透明感やソウルフルな深みなど場面ごとに豊かな表情を見せるヴォーカルはひどく説得力に満ちており、優しさや苦しさや希望や失望や、そういった人の 「感情」 というものがどれだけ誤解や矛盾まみれで、それでも決してそこから逃れられないコントロール不能なものであるかを、真綿で首を絞めるように聴かせる業の歌の数々。特に譜割り無視で次々と疑問を投げかける 「何がしたいの?」 、息の詰まるほどに切迫した 「PASSION」 、冷たくも穏やかな 「忘却」 の悲しさには鳥肌が立ったし、 Patti Smith 「Frederick」 カヴァーの優しさも同じように説得力を増して響く。デビュー17年目にして初のセルフタイトルというのが大きな意味を持つ傑作。




22. 凛として時雨 「Inspiration is DEAD.」

Inspiration is DEAD

Inspiration is DEAD

ミドリや 9mm Parabellum Bullet などと一緒に 「新世代ロック突然変異種」 とも呼ばれていた彼らですが、それらの中でも刹那的な衝動の炸裂っぷりはこのバンドが一番力強いと思う。全てのパートが生き急ぐかのようなスピードに手数過多のテクニカルなフレーズを詰め込み、シリアスかつキャッチーなメロディを男女ツインヴォーカルが頭痛くなりそうなハイトーンで歌い、叫ぶ。まるで金属が火花を散らしながら削り合うようなその鋭角サウンドは、アグレッシブな瞬発力に満ちててひどく血を滾らされます。スリーピースというシンプルな編成で何処まで過剰になれるか、その限界に挑むかのような切迫感。結成以来の方向性を突き詰めた楽曲群から感じられる脂のノリに加え、このアルバムリリース前後で人気が加速していったという点でも、今作が彼らの代表じゃないかなーと。特に前半4曲は全てがキラーチューンという凄絶さ。




21. POLYSICS 「NEU」

NEU

NEU

衝動と洗練のバランスが上手く釣り合った 「National P」 も捨て難いんですが、単純に衝動の面のみ、初聴きのインパクトで言えばこのメジャー一発目が最高。 POLYSICS と言えばピコピコシンセ/テクノポップといったヘナチョコなイメージが強いかもしれませんが、そもそもバンマスのハヤシが橘高文彦の教則ビデオ見てギターを学んだというエピソードもあるように、肉体的な生演奏のパートも重要な位置を占めてるんですね。このアルバムはその生の部分が最も重視されていて、ラウドで迫力ある音の鳴りやヤケクソなテンションの高さが強く血肉に響いてきます。レイドバック気味の 「X-RAYS」 なんてほとんどハードロックだし。ポリがニューウェーブであると同時にロックンロールであることもハッキリ証明する傑作。本家 DEVO のお墨付きでワールドワイドに活動するようになったのも、やはり単なるイロモノではなく芯の強さがあるからでしょうね。




20. kamomekamomekamomekamome

kamomekamome

kamomekamome

まるでジャケットの化物のような見えない圧力/運命に雁字搦めにされ、そこから救いを求めて叫ぶように日常の影を歌うバンド。卓越した演奏力でプログレッシブかつ壮大に展開、時には端正な4つ打ちも加わって複雑な入り組みを見せる楽曲。その中で向達郎の朴訥とした丸みのある歌声が痛々しく響く。例えば 「病棟駆ける息」 など歌詞を読むだけでその情景や匂いまでも強く伝わってきますが、自殺/他殺/事故/寿命、とにかくそういった様々な形の 「命の終末」 が、情景を客観的に淡々と綴る諦めにも似た冷静さと、主観からのエモーショナルな力強さが混在しながら歌われる。また 「あの人のパレード」 「コピーアンドペースト」 の長尺曲2連発による超濃厚な粘り/湿り気、これは確実に日本でしか生まれ得ない。ひどく生臭さに満ちた一大プログレパンク絵巻。次作 「LUGAR SEAGULL」 はプログレよりもパンクの方に重点が置かれた比較的ストレートな作りで、それもまた良し。




19. capsule 「FRUITS CLiPPER」

FRUITS CLiPPER

FRUITS CLiPPER

Perfume の大ブレイクによって2000年代後半にはすっかり時代の寵児となった中田ヤスタカ。この作品では Perfume プロデュース業で見せた作曲手法を capsule 本体に逆輸入し、それまでの渋谷系ラウンジポップからダンスフロア対応ニューレイブ/エレクトロクラッシュへと大胆な変貌を遂げたのでした。ほぼ全曲においてぶっとく粘りの効いた4つ打ちビートをドスドス叩き込み、強靭なグルーヴで身体を思い切り突き上げる。さらに煌びやかなシンセ類や甘く切なくキャッチーなメロディも満遍なく散りばめ、ひたすら快楽指数を上げることのみに注力したようなダンスポップエンターテインメント。ほとんどアゲアゲ一本調子ですが音自体の痛快さがダレることなく持続していて一気に聴き通せる。これ以降のヤスタカ作品は時代の波に乗り過ぎたスノッブ臭さがキツくなるんで、そう言う意味でもこの頃の作品が個人的ベストだなと。




18. Syrup16g 「HELL-SEE」

HELL SEE

HELL SEE

彼らの作品は幾つか聴きましたが、このアルバムだけはちょっと異質だと思う。例えば 「coup d'Etat」 ではネガティブ故のパワフルな激しさというものが感じられましたが、今作では不安/矛盾/葛藤/諦観といった心の闇の部分を力任せに吐き出すのではなく、クリーントーン主体の演奏と陰りのあるメロディに乗せて、自然と漏れてしまう溜息のように淡々と歌う。いつまで続くか分からない倦怠感をそのままパッケージしたような、あまりにもリアルな日常の切り取り方。この辺のセンスは Thom Yorke に通じるものがあると思う。そもそもアルバムタイトルからして洒落になってないのだけど、 「俺もクズだけど君もクズだよ。そうだろ?」 と言わんばかりの性格捻じ曲がりすぎな目線から歌う 「生活」 の歌が心を内側から侵していくかのよう。特に 「吐く血」 には本当にやられた。80年代の音源みたいにのっぺりした奥行きのない音質もこの場合ジャスト。問題作。




17. baroque 「sug life」

sug life

sug life

当時インディーズで快進撃を続けていた cali≠gari の作風をオサレ系ムーブメントとして解釈/定義し、その筆頭として一気にスターダムにのし上がったバンド。スキャンダルやら何やらで人気の加速が異様だったぶん失速するのも早かったですが、このアルバムは彼らの音楽的な底力を見せつけた、唯一のフルアルバムにして最高傑作です。シューゲイザー/ヒップホップ/ドラムンベース/エレクトロニカなどの要素を大胆に取り入れ、ディープな音像の中に幻想的な暖かさ、ポジティブな力強さを生み出し、彼らの音世界が大きなスケールで色鮮やかに開花しています。ヴィジュアル系がここまで明確にシューゲやエレクトロニカを取り入れた例を俺は他に知りません。それまでのチャラいアイドルバンド的な先入観を払拭する渾身の一発。このアルバムリリース後すぐに解散してしまったのもある意味納得というか。




16. BEAT CRUSADERS 「P.O.A. -POP ON ARRIVAL-」

P.O.A.~POP ON ARRIVAL~

P.O.A.~POP ON ARRIVAL~

ヒダカトオル以外のメンバーを一新し、メジャー初のフルアルバムとなった今作。エモ/パンク直系のザックリした厚みと切れ味のバンドサウンドに、タイトル通りひたすらポップであることに拘ったグッドメロディ。その二つが互いの火に油を注ぐように相乗効果を得ながら疾走する、高品質ポップロックの連打連打であります。愉快痛快な代表曲 「HIT IN THE USA」 を筆頭に、爽やかに甘酸っぱい 「FEEL」 「LOVEPOTION #9」 、男臭い泣きが効いた 「DISASTER」 「LOVE DISCHORD」 等々どれもこれも超キャッチーな作り。でも決して見え透いた下世話さじゃなくしっかり説得力のある輝きを持って響き、脂の乗った勢いを感じさせてくれます。随所で挟まれるキーボードの音色もコミカルな可愛らしさがあって良い味出してるし、本当に全曲がキラーチューンと言える出来。今の所ビークルはこの作品が頂点かと。




15. toe 「the book about my idle plot on a vague anxiety」

the book about my idle plot on a vague anxiety

the book about my idle plot on a vague anxiety

日本におけるポストロックの代表的存在であり、フォロワーを一切寄せ付けない確固たる個性を持った4人組。基本的にどの曲もインストですが、歌がないぶんギターは繊細なクリーントーンを主体とするアルペジオで、ドラムは抜けの良く力強い音による多彩な手数で、まるで楽器が生きてるかのように各々のパートがとても表情豊かで叙情的な 「歌」 を感じさせる。至極シンプルなアンサンブルだからこその、果てしなく深遠で美しい空気感。髪を優しく靡かせる初夏の風のようでもあり、深い哀愁を湛えた窓辺から差す夕陽のようでもあり、そんな風に様々な脳内映像を喚起させる、ひどくイマジナティブな音像が優しく涙腺を刺激します。ジャズ/フォーク/ポストロックといったジャンル云々のせせこましさ抜きに、その音自体の澄んだ響きがスッと意識を捕らえ、引き込んでくれる。単なるイージーリスニングでは終わらない、素朴な優しさの中にもハッキリと主張の通った素敵な作品。




14. ムック 「葬ラ謳」

葬ラ謳

葬ラ謳

結成以来ネガティブな感情の底をヘヴィロックサウンドと昭和歌謡風クサメロに乗せて吐き出すという方向性を突き詰めてきたムックの、最初の頂点となった作品。演奏力が向上して一体感の増したアンサンブル、曲調の幅の拡大と細部まで練り込まれたアレンジ、よりストレートさを増して突きつけられる歌詞世界と、全ての面において着実なグレードアップを遂げており、その完成度の高さにただ唸らされるばかりです。再録の 「スイミン」 「黒煙」 は前ヴァージョンよりもずっと説得力が増してるし、 「およげ!たいやきくん」 カヴァーも笑えるくらい彼らの曲として成立してますしね。彼らと共通項が多く同時期に頭角を現した THE BACK HORN や COCK ROACH も良いけれど、それらよりも楽曲の練り込み具合、トータルの構築性においてはこの作品の方が一枚上手だと思う。メジャーに移籍してよりメタリックな攻撃性が増した 「朽木の塔」 もオススメ。




13. BOaT 「LISTENING SUICIDAL」

LISTENING SUICIDAL

LISTENING SUICIDAL

全編ポストロックにガラッと様変わりした超大作 「RORO」 も素晴らしい出来だけど、本来の BOaT らしさが出てるという点でこちらのアルバムを推します。甘酸っぱさ弾けるポップネスとガヤガヤ賑やかなパーティームード、ひたすらジャンクな即効性に拘り続ける一方で、エレクトロニカ/ポストロック/ファンク/ディスコ/パンク/ハードコアと様々なジャンルを節操無く食い漁る雑食性はさらに拡大。どんなジャンルだろうが貪欲に取り込んで全曲痛快ポップに消化してしまうそのタフなセンスが凄まじい。ついでに會田茂一プロデュースの影響か薄汚いオルタナティブなラウド感も随所に見られたり。普遍性と変態性の双方にメーターが振り切り、おバカなノリの裏側にもしたたかな知性を感じさせるという、 AxSxE の才能が完全開花したアルバム。 「おもちゃ箱をひっくり返したような」 というクリシェはこの作品にこそ似合うと思う。




12. 特撮 「ヌイグルマー」

ヌイグルマー

ヌイグルマー

どうしても筋肉少女帯という大きな存在の陰に隠れがちですが、この特撮も十分に強烈なオリジナリティを発揮しています。オーケンのサブカルコミカル文学チックな歌詞は筋少の頃から変わらずの味を持ちつつ、三柴理のこの上なく流麗なクラシックピアノ、 NARASAKI の多彩な音楽を通過した上で鳴らされるヘヴィロックセンス、レゲエをルーツに持った有松博の荒々しくもしなやかなドラミング、そういった各メンバーの個性が高い次元で融合し、結果このバンドでしか出せない異形のヘヴィサウンドが展開されているのです。特に徳間ジャパン時代の作品はヘヴィネスの切れ味が冴え渡った傑作揃いですが、その中でこのアルバムが最もポップかつ幅広い作風で比較的受け入れやすいと思います。 「ジェロニモ」 「バーバレラ」 「ケテルビー」 など名曲/代表曲ばかりの超充実な内容。佐藤研二氏のぶっとい極悪ベースもサポートとは思えないくらい大きく主張していて素晴らしい。




11. cali≠gari 「第7実験室」

第7実験室

第7実験室

お耽美漆黒ビートロックという形骸化した表層をなぞっただけのV系バンドを徹底的に皮肉った 「第6実験室」 を俺は結構重要な作品と捉えていて、アレのリリース後に baroque を筆頭とする所謂オサレ系バンドが雨後の筍のごとく現れてV系シーン全体の雰囲気がガラっと変わったんですよね。まーその影響は功罪半ばなものだし 「流行りをパクる」 という本質部分は何も改善されてないのだけど、そんなフォロワーを尻目にカリガリ自身は音楽的な引き出しの多さ/作曲センスでもってフォロワーを寄せ付けないクオリティの作品を連発していったのでした。それでこのメジャー一発目となった今作は楽曲の幅広さがピークに達し、ギターロック/フォーク/ニューウェーブ/エレクトロニカ/ジャズ/ファンク/ハードコアなど、1曲につき1ジャンルの勢いで雑多なジャンルを導入。メタ視点の面白さを突き詰めた実に彼ららしい代表作です。




10. 坂本真綾 「少年アリス」

少年アリス

少年アリス

攻殻機動隊といいマクロスFといい本気を出すとエラいものが出来上がる菅野よう子先生ですが、そんな先生プロデュース作の最高傑作の一つであるのがコレ。プログレ/トラッド/クラシック/エレクトロニカなど雑多なジャンルを同一線上に並べた楽曲群はいずれも付け焼き刃ではない濃密さがあり、でもそれがあくまで中心の歌を引き立てるために組み立てられてるので、深い聴き応えと耳馴染みの良さが高いレベルで両立されてる。もうプロの技と言うしかない。もちろんそのバックトラックだけが聴き所なわけではなく、マーヤ嬢本人のヴォーカルは端正な透明感と芯の強さを併せ持ってストレートに響き、アクトレスらしく多彩な楽曲の趣向に合わせて表情を豊かに変えて見せる。ミュージカルの主役のごとく楽曲の中心に立ち、眩しい輝きを放ってます。声優モノにありがちな嫌味臭い萌えムードなどはほとんど無く、普遍的な良さが備わってると思う。凛とした力強さとスケールの大きさに満ち溢れた大作ポップス。




9. マキシマムザホルモン 「ぶっ生き返す」

ぶっ生き返す

ぶっ生き返す

最初は System Of A Down のフォロワーという見方もありましたが、今ではすっかりその域を超えてしまいましたね。パンク/メタル/ハードコアを血肉に溶かした強靭なヘヴィサウンドと、空耳アワー出演も納得の語感重視悪ノリナンセンスな歌詞、四位一体のヴォーカルを駆使した多彩なアイディア、それらを3〜4分の尺の中にギュウギュウ詰めに盛り込んだ超濃厚な楽曲群。彼ら流の夏謳歌ソング 「恋のメガラバ」 やデスノートタイアップ丸出しの 「絶望ビリー」 にしても、セルアウトしつつもあくまでもコアな姿勢は崩さない、本気でバカをやるというバンドの姿勢の強靭さが伺える。エンターテインメント精神満載ながらロックバンドらしいスジはキッチリ通し、暴れて歌って笑えるホルモン節というものを完全に確立した傑作です。さらにはひたすら派手で豪快な勢いに満ちたライブパフォーマンスや各メンバーのキャラ立ちの良さも相まって、この CD 不況のご時世に数十万枚売れてすっかり大ブレイクを果たしたのでした。




8. world’s end girlfriend 「The Lie Lay Land」

The Lie Lay Land

The Lie Lay Land

Godspeed You! Black Emperor の深遠かつ壮大なドラマ性と Aphex Twin のフリーキーな遊び心。要素としてはこの二つが大きなウェイトを占めていますが、単純にそれらの足し算だけでは終わらない、陶然とする程に美しく残酷な音世界が広がっています。スタイルの定着したポストロックや雰囲気系フォークトロニカには留まらず、メロディの切なさが下世話なものにも陥らず、表現したい世界観をひたすらに追求し、純度を高めたような主義主張の強さがひしひしと感じられる。この作品では以前に比べて生音演奏によるクラシカルな管弦楽器の割合が比較的高く、 「Satan Veludo Children」 「Scorpius Circus」 のような長尺曲ではそういったクラシック要素による重厚さや力強さ、流麗さがより前面に出ており、その強い美意識に貫かれたダークで幻想的な世界観には思わず圧倒されます。そういった長尺曲と箸休め的な役割の実験曲を巧く配列し、全体にコンセプチュアルな統一性を持たせてる辺りにも徹底した主張が見える。完璧な幻想。




7. downy 「無題(2nd)」

葵 他

葵 他

青木ロビンを中心とし、 VJ による映像をフィーチャーしたライブで異彩を放っていた4人組。 US ハードコアの厳格なアグレッションとシューゲイザーにも通じる空間的なフィードバックノイズ、 Radiohead を思わせるインテリジェンス、さらに日本人らしい燻し銀のメロディ感覚を兼ね備えた独自のサウンドスケープであります。まだ楽曲の練り込みや音作りなどが発展途上だった1作目を踏まえ、この2作目ではバンドの本領が完全開花。 「葵」 「象牙の塔」 など吹き荒れる暴風雨のごとく荒々しい衝動で迫る場面があれば、 「三月」 「無空」 のように夜道を当てもなく彷徨うようにミニマルな長尺の反復を繰り返す場面があり、それらが作品全体に深く大きなうねりを作り出す。また全てのパートが細かなニュアンスに至るまで確信的な主張を持っており、どの音にも異様なまでに存在感がある。鳴るべくして鳴らされてる音しかないと言うか。聴き手の意識を幻惑させると同時に激しく覚醒させる、孤高の作品です。オルタナティブ故の美しさ。




6. 銀杏BOYZ 「DOOR」
5. 銀杏BOYZ 「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」

DOOR

DOOR

君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命

君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命

2枚同時発売ですが2枚とも名盤なので両方挙げてしまいます。この銀杏や前身バンドの GOING STEADY が所謂日本語青春パンクブームの筆頭とされてますけども、筆頭であると同時に明らかに異端であるとも思う。思春期の恋愛というものが無菌状態の奇麗なキラメキだけでカタがつくはずがない、下手すりゃ売春やストーカーやクスリや殺人にも繋がりかねない惨めで不様でクソッタレなものであり、そしてそのクソッタレに一度嵌り込んだらどう足掻いても逃れられない、いかに業の深いものであるかということを、彼らはこの CD 2枚フル容量に渡って思うさまブチ撒けているのです。前向きなメッセージばかり押し付けてゲロ吐きそうになるフォロワーとは一線を画し、このバンドはその前向きとゲロ両方を表現しており、だからこそひどく説得力に溢れてる。2枚とも基本的にやってることは同じなのだけど、 「君と僕〜」 が光で 「DOOR」 が影のイメージなのはそれぞれの大ラス曲 「東京」 「人間」 の存在感が強いからか。ゲストの使い方も神懸り的。



4. COALTAR OF THE DEEPERS 「Come Over To the Deepend」

COME OVER TO THE DEEPEND

COME OVER TO THE DEEPEND

COTD はもう発表してる作品全てが傑作なわけですが、あえて一枚挙げるならコレかなと。音響面に拘り緻密に構築された前作から一転し、それぞれの音がタイトに研ぎ澄まされてオルタナティブなロックバンドとしての肉体的タフネスが増加、またメロディは男女ツインヴォーカルという編成を活かし、よりストレートでキャッチーな方面に向かってます。一撃必殺ハードコア 「MARS ATTACKS!」 、シリアスな切なさと疾走感、刺々しい演奏のバランスが絶妙な 「UNLIMBER」 、溶けるような陶酔感と暖かさが目一杯に広がる激甘ポップ 「TASTE」 、カラフルな甘酸っぱさが弾ける疾走ギターロック 「C/O/T/D」 、シューゲイザーバンドとしての魅力を存分に発揮した 「秋の行人坂」 、一転してメタル/ハードコアバンドとしての出自を示す地獄のようなドゥーム曲 「SYNTHETIC SLIDE」 と、ギターにまつわる様々なジャンルを貪欲に消化した、COTD の多面的な魅力が濃密に詰まった楽曲群。正しく代替の効かないバンドですね。ナッキーの少年声も最初聴いた時は衝撃的だった (笑) 。




3. 椎名林檎勝訴ストリップ

勝訴ストリップ

勝訴ストリップ

自分と他人の 「関係」 に端を発する様々な事柄、例えば怒りや悲しみ、悦び、依存、存在理由など、そういったナイーブな感情の波をひどくエモーショナルに、なおかつギミック塗れのエンターテインメントとしてお届けするオルタナ歌謡大作。200万枚以上バカ売れして、それこそ社会現象ばりに信者もフォロワーも大量に生み出しましたが、実際に聴けばそれも納得せざるを得ない。十分に脂の乗った創作意欲が迸る超充実の内容です。元々彼女のキャッチーなポップセンスはデビュー時から高い完成度を誇っていたわけですが、高音と低音が強調されたノイジーな音作り、 「浴室」 の4つ打ちテクノや 「闇に降る雨」 の重厚なストリングスといった幅広いアレンジ、それらを DJ 的手法でシームレスに繋いだ流麗な曲の配列、そういった様々なアイディアの導入にも一切のスベりが見当たらない。全ての楽曲がシングル化可能なくらいパワーに満ちてるし、エキセントリックな言動も含めて当時の林檎さんは本当に神懸かり的な勢いがあった。俺も10代の時に触れて少なからずトラウマとなりました。間違いなくキャリア最高傑作。




2. Dir en greyWithering to death.

Withering to death.

Withering to death.

2000年代のヴィジュアル系で最も成功し、影響力を持ったバンドは間違いなく彼らでしょう。デビューしてからアルバム毎に様々な方向性を模索してきた彼らですが、 「six Ugly」 以降は所謂ニューメタル/モダンヘヴィネスの導入に照準を合わせ、その路線を突き詰めた末にハッキリと結実を見せたのが今作。骨格を増強した演奏の中でも彼ら特有の耽美なメロディセンス、キャッチーなフックとして機能するアイディアの数々がしっかり生かされており、そのヘヴィネスを確実に自分の物として咀嚼/融合することに成功してる。一撃必殺ハードコア 「朔 -saku-」 「Beautiful Dirt」 、力強くシリアスなメロディが立った 「THE FINAL」 「鼓動」 、哀愁が靡くように流れるスロウ曲 「愛しさは腐敗につき」 「悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱」 と、どの曲でも皮膚に焼け付くようにリアルな痛み/悲しみが彼ららしい手法で十分に表現されており、真に迫って響く。ワールドワイドな活動の足掛かりにもなった最高傑作です。個人的にはもう彼らも LUNA SEABUCK-TICK に並ぶ存在になってると思うのですけども、いかがでしょうか。




1. NUMBER GIRL 「SAPPUKEI」

SAPPUKEI

SAPPUKEI

「記録シリーズ」 などのライブ作品を聴けば分かるように彼らは間違いなくライブでその真価を発揮するバンドであり、そのライブでの熱狂や緊張感をいかにスタジオ盤で再現するか。その命題を見事にクリアにしたのがエンジニア Dave Fridmann との幸福な出会い。鳴らす音の刺々しさ/生々しさを重視し、ノイジーな反響音も効果的に使ったダイナミックな録音手法がバンドの持つポテンシャルを十分に引き出し、過去作に比べて演奏のパワーが飛躍的にレベルアップしています。オルタナティブな轟音で絶妙な絡みを見せる2本のギター、太い音で直線的なグルーヴを生むベース、オカズ満載で荒々しく転げ回るドラム、そして向井秀徳言う所の 「冷凍都市」 とノスタルジックな情景が交錯する独自の歌詞世界。そのいずれもが確固たる個性を持ち、一つの楽曲として調和する、アンサンブルとしての完成度の高さには完全に脱帽。日本における 「オルタナティブロック」 というものを確立し、多くのフォロワーバンドを生み出しながら、それらを寄せ付けない異形のオリジナリティを持った名盤です。最初の曲の最初の一音だけで空気を切り裂くような感覚が迫る、それくらいの凄みがここには詰まってる。




こんな感じで、やはり今の日本の若手バンドにとってナンバーガールの影響というのは大きいんじゃないかなと。フロントマン向井氏の独特のオーラ/言動といい、カリスマチックな存在感のあるバンドだったと思います。くるりも大きいだろうけど俺的にはそこまで好きじゃないんで割愛 (えー) 。あと個人的に神懸かり的だったのは2002年と2005年。この2つの年だけで20枚くらい選んでるな。傑作ばかりに出会える高波の年というのはやはりあるものです。パンクのド明るいメロディとか下北系の地味な感じとか、あと女性ヴォーカルというものも10代の頃は苦手でほとんど通らずにいたんですが、そういったものに耐性がついて聴ける幅が広がって良かったなーと思う次第です。


そして洋楽編に続く。