JAGA JAZZIST 「ONE-ARMED BANDIT」

ONE-ARMED BANDIT (ZENCD152)

ONE-ARMED BANDIT (ZENCD152)

ノルウェー出身の9人組による、5年ぶり5作目。


前作 「What We Must」 は重層的ギターサウンドが前面に出たポストロック色の強い作品でしたが、今回ではそのギターの厚みは後退。代わりにピアノ、シンセ、マリンバ、サックス、フルート等々多彩な楽器が導入され、様式的ポストロックの範疇から一歩抜け出た独創的なサウンドに仕上がってると思います。バンド名通りのたおやかなジャズ要素があり、インテリジェントなエレクトロニカ要素があり、70年代プログレ/ニューエイジに通じる複雑な曲展開と神秘性があり。またミックスを John McEntire が務めてるからか、昨年の Tortoise 「Beacons of Ancestorship」 に通じる緻密かつ大胆な音響性も感じられますね。そういった各ジャンルからの影響が混在し、一つの楽曲の中で多面的に表情を変えて見せる。ミステリアスな美しさの中に不意を突く遊び心も随所に仕掛けられ、深遠さとカラフルさを絶妙なバランスで両立した充実の内容です。しかしアルバムタイトルの意味はスロッターなのですな (笑) 。何でそこ急に俗っぽくなるのかしら…。まーでもギャンブル特有の刹那的スリルと享楽性が表現されてると解釈すればまた違った聴き方が出来る、とか言ってみる。


Rating: 7.8/10
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