HOT CHIP 「ONE LIFE STAND」

One Life Stand

One Life Stand

前作からちょうど2年ぶりとなる4作目。


以前にも増してポップス志向。柔らかな丸みを帯びたハイトーンヴォイスが、うっすらと翳りのあるスウィートなメロディを歌い上げる全10曲。そのいずれもが4〜6分台で纏められ、流れるように自然な盛り上がりを見せる、歌モノシンセポップとして体系の立った内容になっています。バックの演奏ではチープで可愛らしいエレクトロサウンドによるダンスグルーヴと、ストリングス/ピアノによる流麗さが融合し、それらもバンドの個性として主張しつつ中心にあるメロディの引き立て役として機能してる。しかし作品全体として見た時に一本調子で起伏が乏しいような気も。前作 「Made In The Dark」 ではアグレッシブな曲、ポップさを前面に出した曲、しっとりしたチルアウト曲の配分を上手く分けて惹き込む流れを作っていたのですが、今作はほぼ全てがポップ曲で固められており、アップテンポではあっても楽曲のテンションがずっと一定で、通して聴くとダレてくる所もある。メロディを聴かせることに意識が向き過ぎてグルーヴの面が弱まってるような気もするし、どっちつかずな印象もあって正直引っかかりは弱かったです。楽曲単位で聴く iPod シャッフル向けの内容ですかね。


Rating: 5.8/10
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