清竜人 「WORLD」

WORLD

WORLD

弱冠20歳のシンガーソングライターによる2作目。初めて聴きました。


うたをうたう。オーソドックスなバンド編成と華を添えるストリングスに乗って、柔らかく朗らかな歌声が日常の喜怒哀楽、恋愛感情、矛盾ややるせなさとポジティブに前を向く力強さ、そういった感情の揺れを繊細な言葉で表現していく。無闇に壮大だったり外連味に過ぎたりといったことはなく、けれども内省になり過ぎることもなく、ナイーブな青さと外向きに聴かせることを意識したオープンさを両立した、ポップミュージックとしての理想の形。 「マドモアゼル」 や 「痛いよ」 の美しく優しいハーモニーにはベタだと分かっていても惹き込まれてしまう。またファンク風のリズムと枯れたムードの 「あくま」 や、可変速ジャズナンバー 「イザナギの後遺症」 といったシニカルな遊び心のある楽曲も面白いアクセントになってます。でも全体的に、メロディや節回しにほんのり Mr. Children を感じるのは俺だけでしょうか。90年代以降のヒットスタンダードとして未だに強く根を張るミスチルイズムはここにも存在してる気がします。個人的にはその辺に少々苦手意識を持ったりするのですが、 CD ショップ大賞も納得のヒットポテンシャルを持った、普遍的な魅力のある作品だと思います。


Rating: 7.2/10
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