Pantha du Prince 「Black Noise」

Black Noise

Black Noise

ドイツ出身、 Hendrick Weber によるソロユニットの3作目。初めて聴きました。


アルバムタイトルを見てどんなマジキチノイズが飛び出すのかと期待してたんですが全然違いました。ノイズはノイズでも肉体派ハーシュノイズではなく、空気に溶け込み同化するタイプの環境音的ノイズ。そこに鉄琴のような音色などの可愛らしい上モノと、ストリクトな洗練を受けたミニマルビートが空間的に散りばめられ、少しずつ視界が開けていくように展開する。作風としては Four Tet 辺りが近いでしょうか。ドリーミーな浮遊感と密かに脈打つ4つ打ちの躍動、また立体的な環境音の広がりが一つに溶け合って流れ、うっすらとダークな緊張感を漂わせつつ品のあるカラフルさを生み出しています。アンビエントな中にもリズムのグルーヴによる輪郭の明確さ、研ぎ澄まされたテクスチャーのシャープな刺激が常にあり、意識を陶酔させながら覚醒させる。あと4曲目 「Stick To My Side」 には Panda Bear (Animal Collective) 参加。この人の声もまた奇妙な魅力がありますね。エコー/リバーブを効果的に使って幾重にも折り重なる朗らかな声。この声が入ることでまた世界観がガラリと変わる気がする。深い深い音響の森。


Rating: 7.8/10
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