kannivalism 「helios」

helios

helios

活動休止期間を経て、3年ぶりとなる2作目。


ギタリストのソロ活動、もしくはヴォーカリスト鬱病経験が本隊にも影響したのか、前作から大幅な変化を見せています。様々なギターサウンドとエレクトロニクスが重層的/空間的に折り重なった、シューゲイザー/ポストロックにも肉薄する立体的な音像となり、それが暖かな陽の光溢れるピースフルな雰囲気を醸し出す。短尺と長尺の曲が交互に配置されてシームレスに繋がり、全体で一つの楽曲として形を成しているような構成。希望に満ちたメッセージがありふれた軽薄なものではなく、グッと広がった幻想的な世界観の中で説得力を増して歌われています。オサレ系由来のチャラさが残っていた前作に比べると、音楽的な深みや表現力は格段にレベルアップしているのがすぐに実感できる。ただ全体的に力が入り過ぎてるというか、壮大な構築性を意識するあまりポップさが音の中に埋もれ、頭でっかちに陥ってる気もします。アレンジの密度を詰めるあまり風通しが悪くなってる感覚も少しあり。しかしラストを飾る 「life is.」 はカラフルな輝きが軽快なスピード感とともに開ける秀曲で、このメロディとアレンジのバランス感をさらに突き詰めてくれれば、まだまだ化けそうな予感も。


Rating: 7.0/10
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