相対性理論 「シンクロニシティーン」

シンクロニシティーン

シンクロニシティーン

1年3ヶ月ぶりとなる3作目。


「シフォン主義」 と 「ハイファイ新書」 を踏まえての今作、という感じ。前作のシティポップ/ソフトロック的な洗練を引き継ぎつつ、メロディや演奏は少し温度を上げ、曲によっては初期のオルタナロックなはっちゃけ感も戻ってきてる。またシュールな歌詞の脱力感、アンニュイな雰囲気の中にほんのり色気を醸す歌声、薄味ながらもツボをしっかり押さえた良質のメロディ、そういった彼らを構成する諸要素がよりバランス良く、高水準に押し上げられてます。おそらく彼らはもう自分たちの作曲フォーマットを確立したのでしょう、どの曲も定めた焦点に一切のブレがなく、3分間ポップスとして過不足なく纏め上げる様には余裕すら感じられます。 「シンデレラ」 「ミス・パラレルワールド」 「チャイナアドバイス」 「マイハートハードピンチ」 等々、どの曲もメロディ/フレーズの妙に頭に残るっぷりがちょっと凄い。また 「人工衛星」 や 「気になるあの娘」 といったアッパー曲になるとヴォーカルのへなちょこ感が一層際立って聴こえるのも、もう独自の味としか言えないですね。バンドの立ち位置的に色々先入観は生まれがちだけど、多分 「みんなのうた」 みたいな感じで聴くべきなのかなと思いました。


Rating: 8.2/10
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