やくしまるえつこと d.v.d 「Blu-Day」

Blu-Day(DVD付)

Blu-Day(DVD付)

相対性理論のヴォーカルと、ツインドラム×映像ユニットのコラボ作品。


楽曲を作るのは d.v.d のメンバーで、やくしまるえつこはヴォーカルとギターのみ。軽く抜けの良いドラムがパズルのように変拍子リズムを組み立て、チープで可愛らしいシンセサウンドで飾り付けた、ニューウェーブ/テクノポップとマスロックの融合といった音楽性。そこにやくしまる嬢のウィスパーヴォーカルが交じり、時には話し声やクスクス笑い声も挿入。アンニュイな脱力感の中にそこはかとなくセクシーさを感じさせ、言葉遊びだらけの不条理な歌詞がその声の魅力をより奇妙な味わいに転じさせる、相対性理論でも発揮していた独自の個性はここでも発揮されています。しかしシュールでミステリアスな雰囲気とリズム展開の新鮮さを一番に捉えた内容で、マスロック的な要素が強いためメロディのキャッチーさというものはあまりなく、そのぶん相対性理論本隊に比べると取っ掛かりは弱いですね。映像と合わせて聴くと実験性が分かりやすく提示されていて面白い部分もありますが、音だけとなるとどうも頭でっかちな感が気になってあまりのめり込めなかったです。コラボ作として見ても1+1が2以上になっていない印象を受けるし。こうなるだろうな、という予想の範囲内。


Rating: 6.4/10
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