石野卓球 「CRUISE」

CRUISE

CRUISE

ソロ名義としては6年ぶりとなる新作ミニアルバム。


ストイシズム。ジャケットはやけにオープンで爽やかですけども、中身はむしろ地下のダンスフロアのキナ臭い熱量をそこはかとなく感じさせるダンスプロパーサウンドです。電気グルーヴ本隊のポップ要素、ギャグ要素はここでは一切排除され、鋭く硬く研ぎ澄まされた音の粒子が散りばめられたミニマルテクノ直球勝負。粘りとアタック感の強い4つ打ちビートが通底し、最小限の上モノを足し引きして緩やかな抑揚をつけ、無機質なクールネスと確かなダンスグルーヴを絶やさずにほぼノンストップで流れていく。全編ほとんど同じ方向性で曲の違いという概念もあまりないですが、敢えて言えば巻上公一ヒカシュー) のコミカルなヴォーカルをサンプリングした 「Hukkle」 が最も熱量高めで分かりやすいでしょうか。確実にクラブの大音量で聴いた方が気持ち良い、ロケーションありきの音だとは思うんですけども、やはりそこは御大、その音の醸すグルーヴの心地良さは折り紙つきです。6曲42分と長尺曲ばかりの内容なのに、ビートの強度と抑揚の妙技でダレさせずに最後まで引っ張って聴かせるのはさすがといった感じですね。ファンは安心の内容かと。


Rating: 7.2/10
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