Philip Selway 「Familial」

Familial

Familial

Radiohead のドラマーによる初ソロ作品。


ここでのフィルはいつものスティックを置いて、ギターとヴォーカルに専念。内容は実にシンプルで素朴なフォークソングの応酬となっています。オルタナティブ由来の装飾もわずかに挟みながら、徐々に沁み渡るような牧歌的メロディ、肩の力の抜けた優しい歌唱が柔らかく耳に馴染む。ほとんどが2〜3分台のライトな作りなのですが、終盤にある5分の最長曲、雲間から光が差し込んでくるような広がりとカタルシスが鮮やかな 「Don't Look Down」 はハイライト。バンドの片手間などではなく、普遍的な魅力のある良質なポップソングに仕上がってると思います。うーんでも、これ単体で聴くには決して悪くはないんですが、彼の場合どうしてもレディへという大きな存在がついてきますからねえ…。レディへ本隊に比べるとやはり良くも悪くも薄味、インパクトに欠けるというのが正直なところ。特にギター以外の装飾、ストリングスやホーン、音響効果といったアレンジを挟んでくる場面で、その密度の濃さにバンドとの差を感じてしまいました。まー他のメンバーのソロ作もそうだったけど、やはりレディへはあのメンバー5人揃ってこそなのかなあ、などと思ったり。


Rating: 6.2/10
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