OGRE YOU ASSHOLE 「浮かれている人」

浮かれている人

浮かれている人

約1年ぶりのリリースとなる、ミニアルバムとしては3作目。


浮かれてポップ。プロデューサーに石原洋、エンジニアに中村宗一郎というゆらゆら帝国チームがついてもっと変態サイケになったりするかと思えば、ほんわか陽性のポップネスを纏ってより外側に開けた作風となりました。彼らの従来の個性と言えば、肩の力の抜けた音の隙間と、各メンバーが程良く主張しながらバンドとして整合するアンサンブルの呼吸、そして何処か捻れたセンス。それが今回は牧歌的で親しみやすいメロディを前に出し、楽器隊も丸みを帯びた音作りでジワジワ耳に馴染む。オープナー 「バランス」 はすでにライブでも披露されていた、今作の方向性を提示するリード曲。奇妙なコーラスが妙に頭に残る 「タンカティーラ」 や、 Vampire Weekend に通じるセンスを感じるキッチュなエレクトロ曲 「どちらにしろ」 といった遊び心もあり。そして 「レースのコース」 「真ん中で」 は心地良く涼やかな哀愁が、前者は疑似ストリングス的なシンセとともに、後者は海辺のボサノヴァのようにたゆたう佳曲。この辺は新境地なのでは。何気なく異質な彼らの個性がまた一味違った形で聴ける5曲。こないだのフジロックのライブ良かったよね。


Rating: 7.4/10
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