Belle and Sebastian 「Write about Love」

Write About Love

Write About Love

グラスゴー出身の大所帯バンドによる、4年ぶり8作目。


久しぶりに逢ったベルセバは相変わらずの麗しさでした。スコティッシュネオアコポップという大まかな骨格は従来のままですが、前作 「The Life Pursuit」 に比べると幾分か肩の力は抜けた作風。けれども初期のような枯れた寂しさというより、陽の光を映してさらさら流れる小川のような優しさ、美しさ、そしてベテランたる安定感といった印象を一番に受けます。前作までのバンド編成による外に開けた華やかさ、それを通過した上でのリラックス感、ということですね。微風に乗るような心地良いスピード感があり、午睡の夢に沈むことを許すような包容感があり、カラフルでありつつ上品。比較的陽気な 「I'm Not Living in the Real World」 なんかは聴いてて先日のフジロックを思い出しますよ。客をステージに引っ張り上げて一緒に踊る、のほほんとした祝祭的な空間。だけど歌詞を読むと、ただ優しく笑ってるばかりではないビターな感覚も入り混じってる。このそこはかとないクールネスもベルセバの空気感を生み出す上で欠かせないものですよね。総じて鉄板の魅力をナチュラルに打ち出した好盤。全体の流れも秀逸です。


Rating: 8.0/10
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